WRX S4 E型のマイナーチェンジと進化ポイント

WRX S4 E型のマイナーチェンジと進化ポイント

WRX S4 E型の年次改良と変更点

WRX S4 E型の主な進化ポイント
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アイサイト機能の強化

ドライバー異常時対応システムと車線中央維持制御の改良により、安全性と使いやすさが向上

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特別仕様車の追加

「STI Sport R-Black Limited」が新登場し、ブラック塗装パーツとRECAROシートを採用

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新色の追加

「ギャラクシーパープル・パール」が新色として追加され、カラーバリエーションが拡充

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2024年12月12日、スバルのスポーツセダン「WRX S4」が年次改良を受け、E型へと進化しました。この改良では、安全性能の向上や特別仕様車の追加など、様々な変更点が盛り込まれています。WRX S4は2021年に現行モデルが登場して以来、毎年着実に進化を続けており、今回のE型への改良もその流れを汲むものとなっています。

 

WRX S4は、スバルのスポーツカーラインナップの中でも、日本市場において唯一のセダンモデルとして重要な位置を占めています。2.4リットル水平対向直噴ターボエンジンを搭載し、最高出力275馬力、最大トルク375N・mという力強い性能を持ちながらも、日常での使いやすさも兼ね備えた車として人気を博しています。

 

E型への改良では、外観デザインに大きな変更はありませんが、安全装備や内装の質感向上など、ユーザーの使い勝手を考慮した改良が施されています。特に、スバルの先進安全技術「アイサイト」の機能向上は、今回の改良の目玉と言えるでしょう。

 

WRX S4 E型のアイサイト機能向上とドライバー異常時対応システム

E型WRX S4では、スバルの先進安全技術「アイサイト」の機能が大幅に向上しています。特に注目すべきは「ドライバーモニタリングシステム」と「ドライバー異常時対応システム」の連携強化です。

 

ドライバー異常時対応システムは、運転中にドライバーが体調不良などで運転継続が困難になった場合に、システムが自動的に車両を減速・停止させる機能です。E型では、このシステムとドライバーモニタリングシステムの連携が強化され、より早い段階でドライバーの異常を検知し、適切な対応が可能になりました。

 

また、アイサイトの「車両中央維持制御」と「先行車追従操舵制御」も改良されています。これにより、高速道路などでの走行時に、より自然な操舵感覚でレーンキープアシストが機能するようになりました。車線の中央を維持する制御が滑らかになり、長距離ドライブでのドライバーの負担軽減に貢献しています。

 

さらに、D型から採用された広角単眼カメラを組み合わせた新世代アイサイトにより、従来のステレオカメラでは検知が難しかった横断歩行者や自転車なども検知できるようになり、安全性が大幅に向上しています。この広角単眼カメラの採用により、視野角が約2倍に拡大し、事故回避のアシスト機能が強化されました。

 

これらの改良により、WRX S4 E型は、スポーツカーとしての走りの楽しさを損なうことなく、最新の安全技術を備えた車両へと進化しています。

 

WRX S4 E型の特別仕様車「STI Sport R-Black Limited」の特徴

E型WRX S4の大きな特徴の一つが、新たに追加された特別仕様車「STI Sport R-Black Limited」です。この特別仕様車は、最上級グレード「STI Sport R EX」をベースに、さらに特別な装備を追加したモデルとなっています。

 

「STI Sport R-Black Limited」の特別装備として、以下のようなアイテムが採用されています。

  • ドアミラー(ブラック塗装)
  • RECARO®フロントシート(STIロゴ入り)[ウルトラスエード、ブラック(レッドステッチ)]
  • 運転席8ウェイパワーシート
  • インパネミッドトリム/ドアトリム スエード調(レッドステッチ)
  • センタートレイ加飾/フロアコンソールリッド/ドアアームレスト ブラック表皮巻(レッドステッチ)
  • ブラックルーフ&ピラートリム
  • ルーフアンテナ(ブラック塗装)
  • WRX/シンメトリカルAWDリヤオーナメント(ラスターブラック塗装)

特に注目すべきは、RECAROフロントシートの採用です。スポーツ走行時のホールド性能に優れたこのシートは、ブラックのウルトラスエード素材にレッドステッチを施した特別仕様となっています。また、インテリアの随所にスエード調素材やレッドステッチを配することで、スポーティかつ高級感のある室内空間を演出しています。

 

外装では、ドアミラーやルーフアンテナ、リヤオーナメントなどをブラック塗装とすることで、精悍な印象を強調。さらに、ルーフとピラーのトリムもブラックとすることで、全体的に引き締まった印象を与えています。

 

「STI Sport R-Black Limited」は、ベースとなる「STI Sport R EX」より25万円高い設定となっていますが、その特別感と高級感は、スポーツセダンとしてのWRX S4の魅力をさらに高めるものとなっています。

 

WRX S4 E型の新色「ギャラクシーパープル・パール」と外観変更

E型WRX S4では、新色として「ギャラクシーパープル・パール」が追加されました。この新色は、深みのあるパープルカラーで、光の当たり方によって表情が変わる魅力的な色合いとなっています。スポーツカーらしい個性的なカラーとして、WRX S4の精悍なボディラインをより一層引き立てる効果があります。

 

また、「STI Sport R EX」グレードでは、ホイールデザインがブラック塗装に変更されました。これにより、ボディカラーとのコントラストが強調され、よりスポーティな印象を与えるデザインとなっています。

 

外観デザインに関しては、2023年のD型改良時に「STI Sport R EX」グレードに大型リアスポイラーがメーカー装着オプションとして新設定されましたが、E型でもこのオプションは継続されています。この大型リアスポイラーは、WRX S4のスポーティな外観をさらに強調するアイテムとして人気を集めています。

 

WRX S4の基本的なエクステリアデザインは、2021年のフルモデルチェンジ以降、大きな変更はありませんが、ヘキサゴングリルを中心とした力強いフロントマスクや、ワイド&ローのプロポーションは、スポーツセダンとしての存在感を十分に主張しています。

 

E型への改良では、外観の大幅な変更はありませんが、新色の追加やホイールデザインの変更など、細部にわたる洗練が図られており、WRX S4の魅力をさらに高めるものとなっています。

 

WRX S4 E型の装備強化とハーマンカードンサウンドシステム

WRX S4 E型では、快適装備の充実も図られています。特に注目すべきは、「STI Sport R EX」グレードに標準装備となったハーマンカードンサウンドシステムです。このプレミアムオーディオシステムは、2023年のD型改良時に「STI Sport R EX」にオプション設定されましたが、E型では標準装備となり、上質な音響環境を提供しています。

 

また、D型から採用されたApple CarPlayのワイヤレス接続対応も継続されており、スマートフォンとの連携がより便利になっています。12.3インチフル液晶メーター上でのApple CarPlay地図アプリ情報の表示機能や、11.6インチセンターインフォメーションディスプレイのApple CarPlay/Android Auto表示画面の拡張など、インフォテインメント機能も充実しています。

 

さらに、SUBARU STARLINKにはリモートエアコン機能が追加され、乗車前に車内を快適な温度に調整することが可能になりました。この機能は、真夏や真冬など、極端な気温の日に特に重宝する機能と言えるでしょう。

 

デジタルマルチビューモニター機能には、車両周囲360°を映し出す3Dビュー表示機能などの新たなビューモードが追加されており、駐車時や狭い道での運転をサポートしています。この機能により、車両の周囲の状況を一目で確認できるようになり、安全性と利便性が向上しています。

 

これらの装備強化により、WRX S4 E型は、スポーツカーとしての走りの楽しさだけでなく、日常使いでの快適性も大幅に向上しています。

 

WRX S4 E型の将来展望と2025年以降のフルモデルチェンジ予想

WRX S4 E型は2024年の年次改良モデルですが、今後の展開についても注目が集まっています。特に、2025年以降に予想されるフルモデルチェンジについては、様々な情報や予測が出ています。

 

スバルは2023年8月に発表した新経営体制における方針で、電動化計画のアップデートを掲げており、2030年までに電動車販売比率を「バッテリーEVのみで50%」へ引き上げるとしています。この流れを受け、次期WRX S4も何らかの形で電動化される可能性が高いと言えるでしょう。

 

具体的には、2024年5月28日に発表された「次世代e-BOXER」の採用が有力視されています。この次世代e-BOXERは、スバルの水平対向エンジンとトヨタのTHSを組み合わせたストロングハイブリッドシステムで、現行のマイルドハイブリッド式e-BOXERよりも大幅に燃費性能が向上することが期待されています。

 

また、完全なる電気自動車(BEV)としての展開も視野に入れられています。スバルは新経営体制の方針で、BEVの自社生産や専用ライン追加を行うことも発表しており、WRX S4の後継モデルがBEVとして登場する可能性も否定できません。

 

フルモデルチェンジの時期については、スバル車が通常6〜7年のサイクルでモデルチェンジすることを考慮すると、現行型WRX S4が2021年にデビューしたことから、2027年から2028年頃に次期モデルが登場すると予想されています。

 

デザイン面では、近年のスバル車のトレンドを考えると、ヘキサゴングリルの大型化が予想されます。フォレスターの新型でも大型のヘキサゴングリルが採用されており、この流れが次期WRX S4にも適用される可能性があります。

 

また、北米市場ではMT(マニュアルトランスミッション)モデルが設定されているWRXですが、日本市場でのMT追加の可能性も注目されています。BRZが2023年の一部改良でMT車にアイサイトを初搭載したことから、今後WRX S4にもMTとアイサイトを組み合わせたモデルが登場する可能性も考えられます。

 

いずれにせよ、WRX S4の将来展望は、スバルの電動化戦略と密接に関連しており、スポーツカーとしての走りの楽しさを維持しながらも、環境性能を高めた次世代モデルの登場が期待されています。

 

スバルの次世代e-BOXERに関する公式発表資料
WRX S4 E型は、スバルのスポーツセダンとして着実な進化を遂げています。アイサイトの機能向上による安全性の強化、特別仕様車「STI Sport R-Black Limited」の追加、新色「ギャラクシーパープル・パール」の設定など、細部にわたる改良が施されています。

 

これらの改良により、WRX S4は、スポーツカーとしての走りの楽しさを維持しながらも、日常使いでの快適性や安全性を高めた、バランスの取れたスポーツセダンへと進化しています。

 

また、2025年以降に予想されるフルモデルチェンジでは、電動化の流れを受けた次世代e-BOXERの採用やBEV化の可能性など、WRX S4の将来像にも注目が集まっています。スバルのスポーツカーの歴史と伝統を受け継ぎながらも、時代の要請に応える形で進化を続けるWRX S4の今後の展開に、引き続き注目していきたいと思います。

 

WRX S4 E型は、スポーツカーファンにとっても、日常の足として使いたいユーザーにとっても、魅力的な選択肢となる一台です。安全性と走りの楽しさを両立させた、スバルならではのスポーツセダンとして、今後も多くのファンを魅了し続けることでしょう。