

ヴァンガードカスタムを組むとき、整備士が最初に押さえるべきは「純正の基準点」です。純正の代表例として、ヴァンガード(ACA33W系など)ではタイヤサイズ225/65R17、ホイール17×7J、オフセット+45mmが掲載されています。さらにPCDは114.3mm、5穴、ハブ径60mmという前提が揃うため、社外ホイール選定の入口はここから外さないのが安全です。
ホイール側の数値は、見た目の好み以前に「ハブ周りの整備性」と「振動トラブル」を左右します。特にハブ径60mmの車両に対してハブリング無しで逃げると、締結はできても芯が出ず、低速域では気づきにくい微振動が出て後からクレーム化しやすいです。整備現場では“ナットを規定トルクで締めたのにブレる”案件の多くが、実はハブセントリックの考え方不足(ハブリング不適合・欠品・精度不良)で説明できます。
また、オフセット+45mmは「純正位置」の目安です。インチアップでリム幅を増やすときは、単純に“ツライチにしたいからオフセットを攻める”より、タイヤ外径・リム幅・ショルダー形状をセットで見て、フェンダーとインナーの両方に余裕を残す方が作業トラブルが減ります(車検以前に、実用域で干渉音が出ると返品・再作業になりがちです)。
トヨタ公式の適合表(タイヤ・ホイールの一覧PDF)が公開されている年式もあるため、入庫車の年式・グレードに合わせた“純正の正解”を確認してから話を進めるのが最短です。
タイヤ・ホイールの純正設定(年式別)の確認に有用。
トヨタ公式PDF:ヴァンガードのタイヤ・ホイール設定一覧
ヴァンガードカスタムでインチアップする際、車検で揉めやすいのが「タイヤ外径が変わって速度計の表示に誤差が出る」系の話です。一般論として外径が変わればスピードメーターにズレが出るため、外径管理は“見た目”ではなく“整備の品質”として扱う必要があります。実際、タイヤ外径アップがメーター過小表示の要因になるため車検でNGになり得る、という趣旨の指摘もユーザー掲示板等で繰り返し語られています。
整備士目線で重要なのは、顧客が「20インチにしたい」「扁平を上げたい」と言った瞬間に、ホイールの入る入らないではなく、(1)外径、(2)荷重指数、(3)干渉、(4)操舵角、(5)ブレーキ・ハーネス取り回し、までを点検項目に落とすことです。特にSUV寄りのヴァンガードは荷重の掛け方が乗用セダンと違い、見た目の扁平化(低扁平タイヤ)でリム打ちリスクが上がります。結果として「ホイールは無事、タイヤ側だけ膨らみ」などの“軽い事故”が起きやすく、サイドウォール損傷を見落として高速でトラブルになると整備側の説明責任が重くなります。
もう一つ、意外に盲点になるのが、タイヤ外径を合わせても“タイヤ銘柄で実外径が微妙に違う”ことです。カタログ値は同一表記でも、実測外径・ショルダー形状・サイドの張りはメーカーで差が出ます。したがって、ギリギリのマッチングは「机上ではOKでも実車で擦る」を生みます。現場では、フロント全切り+段差乗り上げ相当の縮み(ジャッキアップの逆の動き)を想定して、インナー側の擦れ跡(樹脂ライナーのテカり)まで含めた確認が安全です。
ヴァンガードカスタムのローダウンは、見た目の変化が大きい一方で、整備士が責任を持つべき領域は「走る・止まる・曲がる」の再現性です。ローダウン後のアライメント作業例として、ACA38Wでローダウンスプリング+20インチ装着後に、フロント&リヤのトウ調整を行った事例が公開されています。こうした事例が示す通り、ローダウンは“付けて終わり”ではなく、測定と調整のセットで初めて商品になります。
特にヴァンガードは、前がストラット、後ろがダブルウィッシュボーンという足回り構成がカタログに明記されています。この構成は一般に、車高変化でアライメント(特にトウやキャンバー傾向)が変わりやすく、タイヤ偏摩耗が「短期間で一気に出る」ことがあります。顧客はホイールデザインには敏感でも、偏摩耗は“音が出るまで気づかない”ことが多いため、整備側から「交換直後の基準値」「慣らし後の再点検目安」まで説明するとクレームが減ります。
意外な実務ポイントとして、リア側の構造理解は作業時間の見積もりに直結します。ヴァンガードの足回りリフレッシュ例では、リヤはショックとスプリングが別体で、スプリング交換は比較的容易だがショック交換はコツがいる旨が紹介されています。ローダウン作業で“リアが簡単そうに見えて時間が伸びる”ケースがあるため、事前の工数説明と、固着時の追加対応(ボルト類・ブッシュ周りの状態)をセットで提示するのが現場的には強いです。
ローダウン後にやるべき点検を、整備受付でそのまま使える形に落とすと次の通りです。
・🧭 アライメント測定(調整前の数値を記録)
・🛞 タイヤの内外摩耗チェック(交換直後はマーキングして経過観察)
・🔩 締結部の増し締め(初期なじみ後の再点検を提案)
・🚗 試走での異音確認(全切り・段差・制動時の挙動)
ヴァンガードカスタムで“手軽に印象を変えやすい”のが灯火類ですが、車検で落ちる理由は単純な明るさ不足よりも、配光不良(カットラインが出ない等)であることが多いです。LEDヘッドライトの選び方・注意点を解説した記事では、粗悪品や精度の悪いLEDだと配列が合わずカットラインが出ず、カットライン不良はそれだけで車検に通らない、と明確に述べられています。つまり、光束が強いだけの製品を選ぶほど危険で、整備士は“明るい=正しい”という誤解を先に潰しておく必要があります。
また別の整備系コラムでも、LEDバルブの色温度・明るさは車検に通るための重要要素で、製品によっては車検に通らない可能性がある、と注意喚起されています。ここで現場的に効くのは、「車検対応」を謳っているかどうかの確認に加えて、(1)光軸調整で適正範囲に入るか、(2)バルブ固定が甘く発光点がズレていないか、(3)リフレクタとの相性でグレアが出ていないか、の3点です。特に(2)は、点検時に手で触ると“カチッと固定されていない”個体があり、走行振動で配光が暴れて検査ラインで不合格になることがあります。
整備士向けに、灯火類カスタム時のチェック項目を短くまとめます。
・💡 「車検対応」表記だけでなく、配光(カットライン)を壁当てで確認
・🎚️ 色温度を上げすぎない(白さ優先で青白くすると不利になりやすい)
・🔧 バルブ固定とガタ(発光点ズレは配光不良に直結)
・📏 交換後に光軸テスターで数値確認し、調整記録を残す
ヴァンガードカスタムで、検索上位が触れがちな「インチ」「ローダウン」「LED」の裏で、実はリピート入庫を生みやすいのが締結品質です。ヴァンガードはハブ径60mm・PCD114.3・5穴が掲載されており、この“数字どおりに合う”ことが社外ホイール前提の最低条件になります。にもかかわらず、現場では「PCDは合っているからOK」という理解で、ハブ径の取り扱いが曖昧になりがちです。
独自視点として強調したいのは、ハブ径を軽く見ると“車検は通るのにクレームが出る”という、いちばんコストの高いパターンに入りやすい点です。例えば、ハブリングなしでもナット締結で一見センターが出たように見えますが、微振動が出ると顧客は「足回りをいじったから壊れた」と感じます。そこで、整備士側は「ハブ径60mmに対してホイール側のハブ穴径がいくつか」「リング材質(樹脂/金属)」「固着した時の外し方」まで最初から説明すると、納得感が上がり、再作業も減ります。
さらに、ローダウンや大径化を組み合わせると、締結部への負担も増えます。ホイールを外したタイミングで、ハブ面のサビ・固着、面当たりの荒れ、ボルト/ナットの座面形状(テーパー/球面)不一致をチェックしておくと、振動・緩み・片当たり摩耗の芽を摘めます。ここは派手さがない分、記事にすると“整備士が読んで得する差”になりやすい領域です。
最後に、受付トークとして使える一言テンプレも置いておきます。
・🗣️「PCDが合っていても、ハブ径が合ってないと芯が出ず、振動が出ることがあるので、リング含めて適合確認します」
・🗣️「ローダウン後は見た目の問題より、偏摩耗と直進性が出るので、アライメント数値を記録しておきます」
・🗣️「LEDは明るさだけでなく、配光が崩れると車検で落ちるので、壁当てとテスターで確認します」

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