トイレ付キャンピングカーを選び方と種類

トイレ付キャンピングカーを選び方と種類

トイレ付キャンピングカーの選び方

トイレ付キャンピングカーの結論
🚻
種類で手間が激変

ポータブル式・カセット式・マリントイレ(ブラックタンク)などで、処理方法と必要装備が大きく変わります。

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整備観点は「水・電気・臭い」

給排水タンク、配管、換気、12V電装のどこかが弱いと、快適性が一気に落ちます。

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処理場所が最重要

ダンプステーションの有無で運用難易度が変わるため、旅のルートと施設事情までセットで検討が必要です。

トイレ付キャンピングカーの種類と特徴


トイレ付キャンピングカーの「付いているトイレ」は、実務上は大きく3系統に分けて考えると整理が速いです。代表はポータブルトイレ、カセット式トイレ、マリントイレ(船舶系の仕組みでブラックタンクに溜める系)で、車体サイズや使い方によって主流が変わります。特に日本では、処理設備の事情から「カセット式が多い」とされる点は押さえておくべき前提です。
まずポータブルは「固定トイレを置きにくい」車で現実的な選択肢になりやすく、バンコンや軽キャンパー側で採用されやすい流れがあります。汚水タンクを手で持ち運んで処理する運用が基本なので、トイレの設置というより“携行装備”に近い感覚です。収納性や簡易性は強い一方、満水管理・持ち運び・洗浄の手間はユーザーの性格が出ます。


次にカセット式は、トイレルームとして常設され「家のトイレに近い使い心地」とされるタイプで、外部の取り出し口から汚水タンクを引き出して処理します。タンクがキャリーのように引ける製品もあり、移動の負担を軽くする工夫が進んでいます。整備士視点だと、トイレ本体よりも「トイレルームの防水処理」「換気」「タンク周辺のシール状態」が中古で効いてきます。


最後にマリントイレは、ダンプステーションへホース接続して排水する運用が中心です。処理自体はホースをつないで排水レバーを引く、という分かりやすい作業ですが、日本ではダンプステーションが十分整備されていないため普及しにくい、という背景があります。輸入モーターホームで見かけやすい一方、旅のインフラと噛み合わないと“宝の持ち腐れ”になります。


関連して、近年は「水を使わない」方向の新しい方式も話題で、焼却や特殊処理で臭い・メンテの手間を減らす考え方も出ています。ここは車両側の電力・換気・安全設計が絡むため、単純に“トイレだけ交換”で解決しにくいのが現実です。だからこそ、購入前に方式を理解しておく価値があります。


参考リンク(トイレの種類・処理方法・日本でカセット式が多い理由の整理に有用)
https://www.campnofuji.jp/column/equipment/toilet

トイレ付キャンピングカーの処理方法と注意点

トイレ付キャンピングカーで一番トラブルが起きるのは「壊れた」より先に、「処理できない/処理したくない」で運用が破綻するパターンです。ポータブルやカセット式は、基本的に汚水タンクを取り外してトイレへ流し、洗浄して戻す流れになります。ポイントは、キャンプ場や道の駅などの公衆トイレへ捨てるのはマナー違反になり得るため、原則として自宅のトイレ等で処理する考え方が示されている点です。
薬剤の扱いも現場では重要で、汚物の分解と消臭は薬剤前提で設計されているケースが多いです。薬剤をケチったり、適量の水を入れない運用を続けると、臭いが強くなったり、タンク内に固着物が残って洗浄負担が跳ねます。整備で預かった車でも、機械側の故障ではなく“運用のクセ”が原因で「ずっと臭う」と相談されることが少なくありません。


マリントイレ系は、ダンプステーションで処理する思想なので、行程にダンプステーションが入れられないと詰みます。つまり「旅の自由度」は高そうで、実は設備に縛られやすいという逆転現象が起きます。輸入車や大型でブラックタンク系を検討するなら、購入前に“自分のよく行くエリアに処理設備があるか”を現実的に確認してください。


そして最重要の注意点として、生活排水や汚水を路上や側溝、自然環境へ垂れ流す行為は違法になり得る、という指摘がされています。SNSで見かける「グレーならOKでしょ」的な雑運用は、車両の評判だけでなくキャンパー全体の肩身を狭くします。整備士としても、ユーザーに“合法・適正な処理”を前提に案内するのが安全です。


参考リンク(排水・トイレのトラブル回避、垂れ流しが違法になり得る点の注意喚起)
https://rv-dig.com/rv-drain-toilet-guide/

トイレ付キャンピングカーの価格と中古車チェック

トイレ付キャンピングカーは、同じ車種名でも「トイレの方式」「トイレルームの有無」「給排水タンク容量」「ボイラーや温水」などで価格が大きくブレます。中古市場をざっと見るだけでも、数百万円帯から一千万円を超える個体まで混在しており、装備差がそのまま価格差になります。つまり「トイレ付だから高い」ではなく、“トイレ付の中で何が付いているか”を分解しないと比較になりません。
中古車チェックで外せないのは、トイレ本体の作動よりも周辺状態です。具体的には以下が効きます(上司チェックで突っ込まれやすい所でもあります)。


  • 取り出し口(サービスドア)周辺のパッキン劣化・雨水侵入跡
  • トイレルーム床の浮き、FRPクラック、コーキングの切れ
  • 換気扇の作動、ダクトの詰まり、逆流臭の有無
  • 給水ポンプの脈動・異音、配管継手の滲み
  • 汚水タンクのキャップ・バルブの締まり、Oリング状態

「試乗して走る」より「水を入れて流す」「一晩置いて臭い確認」のほうが、トイレ装備の地雷を踏みにくいです。販売店の展示で水が入れられない場合もあるので、そのときは最低限、タンク取り外し部の匂いと、床・壁のシミ(過去の漏れ)だけは見てください。トイレは清掃で誤魔化せても、漏れ跡は消えません。


価格感を掴むために、トイレ装備で検索できる中古車一覧を眺めるのは有効です。相場観ができると「この装備でこの価格は安い(ただし要修理の可能性)」の判断材料になります。


参考リンク(「トイレ」装備で中古車を横断検索でき、価格帯の幅を掴むのに便利)
https://www.goo-net.com/cgi-bin/fsearch/goo_used_search.cgi?category=USDN&phrase=%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%94%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%82%AB%E3%83%BC%20%E3%83%88%E3%82%A4%E3%83%AC

トイレ付キャンピングカーの臭い対策とメンテナンス

トイレ付キャンピングカーの満足度を決めるのは、実は「使えた」より「臭わない」「片付けが苦じゃない」です。臭いの原因は、便そのものよりも、タンク内の残留物・換気不足・シール不良・清掃頻度のバラつきが複合して起きるケースが多いです。なので対策も“薬剤だけ”に寄せるより、運用と点検をセットで組みます。
現場で効きやすい実務的なポイントを、入れ子なしでまとめます。


  • 薬剤と水量は説明書の規定を守る(少なすぎると分解が進まず、臭いと固着が増える)。
  • 使うたびに換気(換気扇が弱い車は、ルーフベントや窓開けで補助する)。
  • タンクは満水ギリギリまで引っ張らず、余裕を持って処理する(運搬中の漏れ事故を減らす)。
  • 洗浄は「水だけ」よりトイレ用洗剤+ブラシで実施し、最後に乾燥させる。
  • パッキン・Oリング類は消耗品として見て、臭い戻りや滲みが出たら早めに交換する。

意外と知られていないのが、「臭いが消えない=タンクが原因」と決めつけると外すケースがあることです。トイレルームの床下や壁内に一度でも漏れた履歴があると、FRPや木部に臭いが染みて、どれだけタンクを洗っても戻り臭が続きます。中古購入時に“なぜかトイレルームだけ芳香剤が強い車”は、このパターンがあるので注意してください。


また、整備士観点で提案しやすいのが「点検のタイミングを決める」運用です。例えばシーズン前点検で、給水ポンプ作動・配管の滲み・バルブの開閉・換気扇の回転をルーチン化すると、旅先のトラブルが減ります。トイレは壊れると精神的ダメージが大きいので、“壊れてから直す”が高くつく装備です。


トイレ付キャンピングカーの独自視点の整備士チェック

検索上位の解説は「種類」「処理」「必要不要」で止まりがちですが、整備士が現場で刺さるのは“トイレが付いたことで増える故障点”の把握です。トイレ付キャンピングカーは、トイレ単体よりも「水回り+電装+車体架装」の複合体なので、どこか一つ弱いと連鎖して使えなくなります。つまり、トイレが立派でも、周辺が貧弱だと満足度は上がりません。
独自視点として、点検・購入前チェックに使える「壊れ方の予兆」をまとめます。


  • 給水ポンプが頻繁にON/OFFする:どこかで圧が抜けている(微小漏れ、逆止弁不良、配管クラック)。
  • 走行後だけ臭う:負圧でトラップが抜ける、換気ダクトが風圧で逆流する、シールが振動で開く。
  • 冬だけ不調:凍結でバルブが割れる、配管が抜ける、タンクが膨張収縮でシールが切れる。
  • 「水は流れるのに臭い」:タンクではなく、壁内の吸い込み・床下の染み込み、換気不足が原因。
  • 12V電圧が低いとポンプが弱る:流れが悪くなり、結果として汚れが残って臭いが増える。

さらに、トイレ付を選ぶと「車内レイアウト」と「積載」の考え方も変わります。トイレルームはスペースを食うので、荷物を床に置きがちになり、結果として換気が阻害されることがあります。臭い・湿気は空気が動かないと増えるので、荷物の置き方まで含めて“運用設計”が必要です。


最後に、トイレは災害時にも役に立つという視点があります。ポータブルトイレはキャンピングカー用途だけでなく、停電・断水時の衛生確保としても位置づけられており、車中泊ユーザーが備える理由の一つになります。だから「旅行で使わないなら無駄」ではなく、“保険としての価値”まで含めて判断すると、装備選びでブレにくくなります。




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