

アルト系の法定12か月点検の実務では、フロントブレーキを分解してパッド摩耗とディスクキャリパー機能を確認し、リアはドラムを外してリアカップからのオイル漏れやライニング状態を点検する流れが定番です。
リアドラム清掃後に、バックプレートのライニング干渉部へグリスアップし、パッド・シュー残量はノギスで測定して記録簿に残す、という運用が現場的に再現性の高いやり方です。
この「ノギス測定→記録」の癖づけは、次回入庫時の摩耗進行の説明が一気に楽になり、見積り根拠も作れます。
整備士向けチェックのコツ(現場の時短を優先)
法定点検の記述としても、足回り各ブーツの亀裂・損傷・破損がないかを点検する工程が明確に示されています。
アルトバンは仕事車として「停止・発進」「段差」「旋回」を繰り返す用途が多く、ブーツ類は車齢相応に硬化・微細亀裂が出やすい前提で見ると見落としが減ります(とくに左右差)。
ブーツ不良はその場で大きな異音が出ないこともある一方、破れてからの期間でジョイント側のダメージが読みにくく、結果的に高額修理へ繋がりやすいので、早期の指摘が利益にも信用にも効きます。
現場で使える聞き取り(短時間で要点だけ)
この3点を聞くだけで、ブーツ・アライメント・タイヤ偏摩耗の当たりを付けやすくなります。
アルトバンは世代が広く、車両型式ごとにタイヤサイズ情報が整理されているため、入庫時は「型式→標準サイズ」を先に確定させるのが安全です。
たとえば、HA36V(VP系)やHA25V、HA24V、HA23V、HA12Vなど、同じ「アルトバン」でも型式の枝番まで含めて一覧化されています。
この前提を無視して“アルトだから同じ”で進めると、発注ミスや空気圧ラベルとの齟齬が起きやすく、車検整備の段取りが崩れます。
作業前の実務ポイント(タイヤ関連)
アルト系の車検整備では、ブレーキまわり(ローター・パッド)や、ブーツ類(タイロッドエンド、ロワボールジョイント)、ファンベルト、プラグ、バッテリー、エアコンフィルターなど“定番消耗品”が同時に出るケースがあります。
ローターのサビや深い溝、パッド限界摩耗のように、見た目で説明しやすい不具合は写真共有や現物提示と相性が良く、追加整備の納得感に直結します。
整備士側は「車検に通すため」だけでなく、「次の車検までのリスク」を線引きして提案すると、見積りが通る確率が上がります。
見積り説明テンプレ(短く、揉めにくい)
この3段階に切るだけで、車検時の“高額請求に見えやすい構図”を崩せます。
検索上位に多いのは「点検手順」や「消耗品交換」ですが、アルト“バン”特有の落とし穴は、積載と空荷の落差がブレーキ・タイヤ・足回りの状態にそのまま出る点です(乗用のアルトと同じ感覚で診ると、原因推定がズレます)。
リアドラム点検で左右の粉量・焼け色・滲み方に差がある場合、単に部品劣化だけでなく、積載の偏りや使用環境(停止回数、下り坂の多さ)を疑うと診断の精度が上がります。
また、タイヤサイズが型式で多岐に分かれる車種なので、適正サイズ確認を早めに行い、偏摩耗が出ている個体は「積載の癖+空気圧+足回りブーツ」の3点セットで説明すると、再発防止提案まで一気通貫で組めます。
独自視点のチェック項目(意外と効く)
ブレーキ点検(分解・測定)手順の実例が載っている参考リンク(フロント分解点検、リアドラム取り外し、ノギス測定、バックプレートのグリスアップなど)
アルト 法定12か月点検 HA36S|グーネットピット
アルトバンの型式別タイヤサイズ一覧(HA36V/HA25V/HA24V/HA23V/HA12Vなど、年式・仕様ごとに整理)
https://spectank.jp/tir/sl0080022.html