
新型ステップワゴンが「大きすぎる」と言われる主な理由は、フルモデルチェンジによって大幅にサイズアップしたことにあります。具体的には、新モデルの全長が前モデルよりも約10センチ長くなり、全幅も55mm拡大して1,750mmとなりました。この拡大により、従来の5ナンバーから3ナンバーサイズへと変更されています。
この大型化によって、特に都市部での運転や駐車場での取り回しに不安を感じるユーザーが増えているのです。日本の道路環境は狭い道路が多く、大型車の運転に慣れていない方にとっては心理的なハードルとなっています。
また、サイズアップに伴い車両重量も増加したことで、燃費効率への影響も懸念されています。特に家計に敏感なファミリーユーザーにとって、使用コストの増加は大きな関心事となっています。
しかし、実際に運転した方の声を聞くと、見切りの良さや視界の確保により、サイズが大きくなった割には取り回しの悪さをそれほど感じないという意見も多いのが特徴です。
新型ステップワゴンと旧型のサイズを詳細に比較してみましょう。
【旧型vs新型ステップワゴンのサイズ比較】
項目 | 旧型 | 新型 |
---|---|---|
グレード | ノーマル | スパーダ |
全長 | 4,690mm | 4,760mm |
全幅 | 1,695mm | 1,695mm |
全高 | 1,840mm(1,855mm) | 1,840mm(1,855mm) |
ホイールベース | 2,890mm | 2,890mm |
最小回転半径 | 5.4m | 5.4m |
※()内は4WD車の数値
新型ステップワゴンは全長が70mm~110mm、全幅が55mmほど拡大していることがわかります。特に注目すべきは全幅の拡大で、これにより3ナンバーサイズとなりました。
一方で、ホイールベースは変わらず2,890mmを維持しており、最小回転半径も5.4mと変化していません。これは、新型ステップワゴンのプラットフォームが先代から流用されていることが関係しています。つまり、外観上は大きくなっても、基本的な取り回し性能は維持されているということです。
室内空間については、全幅の拡大により室内幅が広がり、特に3列目シートの居住性が向上しています。室内サイズは、室内長2,845mm、室内幅1,545mm、室内高1,410~1,425mmとなっており、ミニバンの中でもトップレベルの広さを誇ります。
新型ステップワゴンのサイズを同クラスの主要ライバルであるトヨタ ノア/ヴォクシーや日産セレナと比較してみましょう。
【ミニバン3車種サイズ比較表】
項目 | ステップワゴン AIR | ステップワゴン スパーダ | ノア/ヴォクシー | セレナ |
---|---|---|---|---|
全長 | 4,800mm | 4,830mm | 4,695mm | 4,690mm(ハイウェイスター:4,765mm) |
全幅 | 1,750mm | 1,750mm | 1,730mm | 1,695mm(ハイウェイスター:1,715mm) |
全高 | 1,840mm(1,855mm) | 1,840mm(1,855mm) | 1,895mm(1,925mm) | 1,895mm |
ホイールベース | 2,890mm | 2,890mm | 2,850mm | 2,870mm |
最小回転半径 | 5.4m | 5.4m(プレミアムライン2WD:5.7m) | 5.5m | 5.7m |
※()内は4WD車またはグレード別の数値
この比較から、新型ステップワゴンは全長・全幅ともにライバル車を上回っていることがわかります。特に全長はノア/ヴォクシーより約10cm、セレナより約11cm長くなっています。全幅も1,750mmとノア/ヴォクシーの1,730mmを上回っています。
一方で興味深いのは、全高については逆にステップワゴンが低く設計されていることです。ノア/ヴォクシーやセレナが1,895mmであるのに対し、ステップワゴンは1,840mmと約5.5cm低くなっています。これにより、立体駐車場への入庫のしやすさや高速走行時の安定性が向上しています。
また、最小回転半径については、ステップワゴンが5.4mとライバル車の中で最も小さい値を示しています。これは、サイズが大きくなったにもかかわらず、取り回しのしやすさを重視した設計がなされていることを示しています。
新型ステップワゴンのサイズアップによるデメリットとメリットを詳しく見ていきましょう。
【デメリット】
【メリット】
特筆すべきは、3ナンバー化によって得られた室内の広さです。新型ステップワゴンの室内幅は1,545mmとなり、3列目シートでも大人がゆったりと座れるようになりました。これは家族での長距離ドライブや旅行において大きなメリットとなります。
また、ボディがスクエア化されたことで、視界の良さも向上しています。特にフロントピラーの位置や形状が最適化され、運転時の死角が減少したという声も多く聞かれます。これにより、サイズが大きくなったにもかかわらず、運転のしやすさは維持されているのです。
一方で、3ナンバー化による税金や保険料の増加は、長期的に見るとランニングコストに影響します。自動車税は5ナンバーと比較して年間で約10,000円程度高くなるため、購入を検討する際には考慮すべきポイントです。
新型ステップワゴンのサイズが大きくなったことで、カスタマイズの選択肢も広がっています。特にホイールやサスペンションのカスタマイズについて見ていきましょう。
新型ステップワゴンは、従来のモデルと比較してホイールの装着可能サイズが拡大しています。純正装着ホイールサイズは6.5Jインセット+45となっており、これは従来モデルの6.0Jインセット+50と比較して、ホイールが10mm程外側に出る設計になっています。
このサイズ変更により、社外ホイールを選ぶ際の選択肢が広がりました。実際に、8.0J幅のホイールでも保安基準を満たしながら装着可能になっています。これは従来のステップワゴンでは難しかったサイズです。
【装着可能なホイールサイズ例】
また、ローダウンカスタムも人気があります。車高調を使用して車高を下げることで、大きくなったボディをよりスタイリッシュに見せることができます。ただし、過度なローダウンは実用性を損なう可能性があるため、日常使用を考慮した適切な車高調整が重要です。
さらに、ボディサイズが大きくなったことで、エアロパーツの選択肢も広がっています。特にフロントスポイラーやサイドステップ、リアディフューザーなどを装着することで、大きなボディをよりスポーティに見せることができます。
カスタマイズを検討する際は、保安基準を遵守することが重要です。特にホイールのはみ出しやローダウン量については、法規制に注意が必要です。
新型ステップワゴンが「大きすぎる」という評価について、実際のユーザーの声や専門家の意見を踏まえて検証してみましょう。
まず、新型ステップワゴンの評価で最も多く聞かれるのは、デザインに関する意見です。従来のスポーティなデザインから、よりスクエアでボックス型のデザインに変更されたことで、「ダサい」「野暮ったい」という声が特に若年層から上がっています。
しかし、サイズに関しては、実際に運転してみると「思ったほど大きく感じない」という意見も多いのが特徴です。これは以下の理由によるものと考えられます。
実際、専門家の評価でも「Mクラスミニバンの中では最大級のサイズだが、運転感覚は従来モデルとさほど変わらない」という意見が多く見られます。
また、室内の広さについては高評価が多く、「3列目シートの居住性が大幅に向上した」「家族全員でのドライブが快適になった」という声が目立ちます。特に、全幅の拡大による横方向のゆとりは、長距離ドライブでの疲労軽減にもつながっています。
一方で、都市部での使用については「駐車場選びに制約が生じる」「狭い道での対向車とのすれ違いに神経を使う」といった声もあります。これは特に都心部での使用を主とするユーザーにとっては無視できない問題です。
総合的に見ると、新型ステップワゴンの「大きすぎる」という評価は、実際の使用感よりも見た目の印象や心理的な要因による部分が大きいと言えるでしょう。実際に試乗してみると、サイズの大きさを感じさせない工夫が随所になされていることがわかります。
購入を検討している方は、カタログスペックだけで判断せず、実際に試乗して自分の使用環境に合うかどうかを確認することをおすすめします。特に、普段の駐車環境や走行ルートを考慮した上で判断することが重要です。
新型ステップワゴンの評価に関する詳細情報
以上の検証から、新型ステップワゴンは確かにサイズアップしていますが、「大きすぎる」という評価は必ずしも実際の使用感を反映しているわけではないことがわかります。むしろ、そのサイズを活かした室内空間の快適性や、視界の良さによる運転のしやすさなど、多くのメリットも存在しています。
ただし、都市部での使用や狭い駐車場への出入りを頻繁に行う方にとっては、サイズアップによる影響を慎重に検討する必要があるでしょう。最終的には、自分のライフスタイルや使用環境に合わせた判断が重要です。