

サフェーサーを省いても、上塗り塗料の発色は問題なく出る。
サフェーサーは「surfacer(サーフェイサー)」とも表記され、日本語では「下地塗料」や「中塗り塗料」を意味します。車のDIY補修でいえば、パテ処理が終わった後・カラー塗装の前に吹き付ける下地専用のスプレー塗料のことです。
「塗装前の一手間」とよく言われますが、サフェーサーがなければ仕上がりは大きく変わります。具体的に果たす役割は、以下の4点です。
サフェーサーは「塗っても見えなくなる層」です。だからこそ省かれがちなのですが、仕上がりの8割はこの下地で決まると言っても過言ではありません。つまり下地が基本です。
参考:サフェーサーの役割・種類・塗り方を詳しく解説しているページ
【初心者向け】サフェーサーとは?失敗しない塗り方と選び方を徹底解説(URBAN GARAGE)
サフェーサースプレーは大きく「2液式タイプ」と「缶スプレータイプ」の2種類に分かれます。
| タイプ | 主な使用者 | 特徴 |
|---|---|---|
| 2液式(スプレーガン使用) | 板金プロ | 硬化が早く研ぎ作業がスムーズ |
| 缶スプレータイプ | DIYユーザー | 入手が容易・手軽に使える |
DIYで車の補修をするなら、ホームセンターやカー用品店で購入できる缶スプレータイプが現実的な選択です。
缶スプレータイプの中でも、さらに種類が分かれています。
素材で選ぶポイントも押さえておく必要があります。
これが条件です。素材に合った製品を選ぶことが、剥がれを防ぐ第一歩になります。
参考:プライマーとサフェーサーの役割の違いを詳しく説明したページ
プライマーとサフェーサーの必要性!その役割の違いについて(板金塗装サイト)
「サフェーサーさえ吹けばOK」と思いがちですが、下地処理を省いたDIY補修は、塗装剥がれの最大原因です。いきなりスプレーを吹き付ける前に、必ず2つの作業を行います。
① パテ処理(大きな凸凹がある場合)
サフェーサーが埋められる傷の深さは、おおよそ0.3mm程度が限度です。深さ1mm以上の傷やヘコミ、爪で引っかかる段差はパテで先に埋めてから、サフェーサーへと工程を進めます。パテを研いだ後の表面状態が仕上がりの基準になるため、ここの精度を上げることが大切です。
② 耐水ペーパーによる足付け(研磨)
サフェーサーを塗布する前には、表面を耐水ペーパーで軽く研磨して「足付け」を行います。足付けとは、塗料が食いつく細かな傷(アンカー)を人工的につくる作業です。#320〜#400番の耐水ペーパーで研いでおくと、サフェーサーの密着性が大幅に向上します。
③ シリコンオフによる脱脂(最重要工程)
足付けが終わったら、必ずシリコンオフ(脱脂剤)で表面の油分・ワックス・手の脂をすべて拭き取ります。これが抜けると「ハジキ」と呼ばれるクレーター状の凹みが塗装面に発生し、修正が非常に困難になります。脱脂は2回以上行うとさらに確実です。
脱脂が命です。この工程だけは絶対に省かないでください。
塗装面が広い場合は、マスキングテープと新聞紙で周囲を養生することも忘れずに行います。サフェーサースプレーは噴霧範囲が広く、意図しない場所に付着しやすいため、広めにマスキングするのが鉄則です。
参考:サフェーサー塗布前の下地処理の流れを詳しく解説したページ
缶スプレー・サフェーサーの吹き方と、失敗しないコツ(DIYラボ)
下地処理が終わったら、いよいよサフェーサースプレーを吹き付けます。ここでの失敗「垂れ」と「ムラ」を防ぐには、3つのポイントを守るだけで仕上がりが格段に変わります。
ポイント① 吹き付け距離は20〜30cm
缶スプレーと塗装面の距離は、20〜30cmを目安に保ちます。近づけすぎると塗料が一箇所に溜まって「垂れ」の原因になり、逆に遠すぎるとスプレーミストが途中で乾いて「ザラつき(スプレーダスト)」が発生します。はがきの横幅が約10cmなので、はがき2〜3枚分の距離感を体で覚えてください。
ポイント② 対象物の外から吹き始め、外へ抜けるように動かす
缶スプレーは、いきなり塗装面の正面で噴射を始めてはいけません。空中で噴射を始め、横スライドしながら対象物を通過し、反対側の空中で噴射を止めるイメージで動かします。スタート地点に塗料が溜まって垂れるのを防ぐためです。
ポイント③ 1回で厚塗りせず、薄く重ねる
1回の塗布では薄く、半乾きになったら2回目を重ねる方法が基本です。重ね塗りの間隔は、夏場は約5分・冬場は約10分が目安です。3〜4回に分けて重ねることで、液垂れなしに均一な膜厚が作れます。
また、缶スプレーは連続噴射すると内部の溶剤と塗料が分離し、「ジュジュジュ」という不安定な噴射になります。噴射していない間は必ず缶をよく振りましょう。塗り始める前は、カチカチと攪拌玉の音が30回以上聞こえるまで振るのが安心です。
気温は15〜25℃・湿度60%以下の条件が理想的です。梅雨時期や真夏の直射日光下での作業は、白く曇る「カブリ」や塗膜のトラブルが出やすいため、日陰や早朝の作業がおすすめです。
これは使えそうです。慣れてくれば、角(エッジ)や奥まった部分から先に塗り始めることも覚えておくと、失敗がグッと減ります。
参考:気温・湿度の条件と塗装のQ&Aをまとめたページ
お問い合わせその前に!補修Q&A(武蔵ホルト株式会社)
吹き付けが終わった後の乾燥と研磨は、サフェーサー工程の「仕上げ」にあたります。ここを丁寧にやることで、カラー塗装の出来が大きく左右されます。
乾燥時間の目安
缶スプレータイプのサフェーサー(プラサフ)は、硬化剤が入っていないため、2液式タイプより乾燥に時間がかかります。表面が触れる状態(指触乾燥)になるまで20〜30分ほどですが、研磨できる状態(硬化)になるには1〜2時間以上が目安です。
缶スプレータイプは「チヂミ」に特に注意が必要です。チヂミとは、上塗りの溶剤が下地のサフェーサーを侵食し、表面がシワのように縮れる現象で、乾燥が不十分なまま上塗りを行うと高確率で発生します。数日放置するか、ヒートガンで加熱して完全乾燥させることが対策です。チヂミが発生すると、再度剥がして下地からやり直すことになるため、時間のロスが大きくなります。
乾燥が命です。焦らず十分に待つことが、最終的な時短につながります。
研磨(サフェーサー研ぎ)の番手と手順
乾燥が完了したら、耐水ペーパーでサフェーサー表面を研磨します。
研磨は「サフェーサーが透けて見えるくらい」まで薄くするのが理想です。研ぎすぎると下地が露出してしまい、再吹きが必要になります。水研ぎ(耐水ペーパーを水で濡らして研ぐ方法)にするとペーパーの目詰まりを防ぎ、均一に研ぐことができます。
研磨後は必ずもう一度シリコンオフで脱脂し、研磨粉を完全に取り除いてからカラー塗装に移ります。この最後の脱脂を忘れると、カラー塗装がハジキを起こすことがあります。
参考:サフェーサーを何番のペーパーで研ぐかを実践解説したページ
サフェーサー磨き(研磨)の必要性は?サンドペーパーは何番?(DIYラボ)
多くのDIYユーザーが見落としがちなのが、サフェーサーの「色」です。サフェーサーはどうせ隠れる層だからと、手元にある1本を何にでも使い回してしまうケースが少なくありません。しかしこれが仕上がりの色に直接影響します。
サフェーサーの色と上塗り塗料の組み合わせは、次の考え方が基本です。
ソフト99をはじめとするカー用品メーカーは白・グレーの2色展開が基本ですが、DIY専門店やネット通販ではブラックサフ、ピンクサフなど複数のカラーが販売されています。愛車の補修カラーを確認した上で、サフェーサーの色も合わせて選ぶのが理想です。
意外ですね。「どうせ見えない」と思っていたサフェーサーの色が、これほど完成度に関わっているとは気づかないものです。
また、塗装色が変わる(旧色を全剥離して別カラーに塗り替える)場合は、旧カラーとの色差を埋める役割もサフェーサーが担います。完全に旧色を覆うためのサフェーサー選びが、全塗装DIYでは特に重要になります。
参考:白サフとグレーサフの実際の発色の違いを検証したページ
プラサフ塗装時にホワイトプラサフを使うほうが便利な時って?(ソフト99公式ブログ)

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