

ポルシェ964カレラ2の値段は、いわゆる「空冷バブル」の影響を強く受け、近年はカレラ2でも相場が1500万円超になりやすい状況が語られています。
特に「実走5万km以下の良コンディションなMT車」は1500万円以上、最高値が約1700万円という目安が示されており、走行距離が伸びた個体でも整備履歴が良好なら1200万円前後といった見立てもあります。
現場感として重要なのは、「車両価格」だけを見ないことです。支払総額には、納車整備・消耗品・タイヤ・油脂類・名義変更・遠方陸送などが積み上がり、買い方によっては数十万円~100万円単位で差が出ます。
また、相場の“天井”はショップの値付けだけで決まるわけではなく、良質車の流通量が少ないことが価格を押し上げる前提になります。
参考)「ポルシェ964 カレラ2 中古」の中古車を探す【カーセンサ…
検索で「安い!」と感じる個体ほど、実車確認で「長期在庫」だったり、整備履歴が薄かったり、交換部品の選択が雑だったりします(この層は購入後の整備費で逆転しやすい)。
整備士向けの結論としては、964カレラ2の値段は“相場”より“個体差”の方が効くため、相場レンジを把握したうえで「この個体が高い理由/安い理由」を言語化して判断するのが安全です。
当時の新車販売価格について、カレラ2のMTが1035万円、ティプトロニック(AT)が1135万円だった、という整理があります。
一方で中古市場では、人気と流通量の偏りからMTが強く評価されやすく、結果として「同条件ならMTが高い」になりやすいのが現実です。
ベストカーの事例では、AT(ティプトロニック)でも低走行なら1500万円超、10万km超でも状態が良ければ1000万円超が相場、といった見方が示されています。
整備士の視点だと、ミッション形式だけで「どちらが得」と決めるのは危険です。ティプトロだから安い=お買い得、ではなく、ティプトロを選ぶなら「油脂管理」「制御系の違和感」「熱の入り方」を含め、試乗での挙動と整備履歴の整合を重視すべきです。
逆にMTは“高いけど安心”でもありません。クラッチ周り、シフトリンケージ、オイル漏れのにじみなど、運転フィーリングの劣化が価格に反映されない個体もあるため、「高額=上物」と短絡しないチェックが必要です。
グーネットのカタログ情報では、964カレラ2(クーペ)の新車価格として、5MTが10,350,000円、4ATが11,350,000円、タルガやカブリオレも含めて価格帯が整理されています。
この「当時の新車価格」を軸にすると、現在の1500万円級という相場が、単なる古さではなく“市場価値の再評価”であることが見えます。
ただし中古車は、同じ“カレラ2”でも、クーペ/タルガ/カブリオレ、左/右、ディーラー車/並行、内外装のオリジナル度、エアコンの効き、足回りの更新状況などで別物になります。
整備工場でトラブルになりやすいのは、「買った値段」だけを基準に、オーナーの期待値が過剰に上がるケースです。たとえば高額で買ったのに“普通にオイルがにじむ”だけでクレーム化する、などが起きやすいので、購入前の説明資料(写真・油脂の滲み・下回り・整備記録)を揃えるだけで後々の揉め事が減ります。
また、純正度が高い個体ほど評価されやすい一方、実用上は「必要な対策整備が入っている個体」が結果的に安く済むこともあるため、値段とコンディションの見方は分けて考えるのがコツです。
964の相場高騰については、海外バイヤーが日本の良質個体を買い付けたことが大きな要因、という説明がされています。
カーセンサーでも、タイプ964の高値が外国勢(主にドイツ人バイヤー)の買い攻勢によって成り立っている、という見立てが示されています。
この構造がある限り、国内だけの需給で語るより、為替や海外のクラシック需要の影響を受けやすい車種だと理解できます。
ただし、現場で肌感として出るのは「全部が即売れではない」という点です。強気の値付けのショップが多く、長期在庫の964もあるという指摘があり、相場=実勢の成約価格ではない可能性もあります。
整備士としては、相場が上がる局面ほど「整備履歴が薄いまま値段だけ上がった個体」が混ざりやすい点に注意が必要です。購入相談では、“高騰しているから買う”ではなく、“維持できる状態の個体を、総額で判断する”へ誘導すると事故が減ります。
ベストカーの記事でも、走行距離が多くても「コンディションや整備履歴さえ良好であれば」価格が維持される、という文脈で語られており、964は履歴が価値そのものになりやすい車です。
つまり「安い個体=整備で取り戻せる」とは限らず、必要部品の入手性や工賃を含めた“時間コスト”まで考えると、最初から履歴が厚い個体の方が得になることがあります。
検索上位があまり深掘りしない部分として、整備工場で効くのは“診断のしやすさ”で、前オーナーが何をやったか分からない個体ほど、初期診断(漏れ・異音・振動・制御の違和感)に時間がかかり、結果としてオーナーの費用負担も増えがちです。
購入前点検(PPI)の提案では、次のように「値段に直結する論点」をチェック項目として明文化しておくと、見積もり説明が通りやすくなります。
最後に、値段交渉の材料として有効なのは「直すべき点」そのものより、「直すのに必要な工数と段取り」を具体化することです。相場が高い車ほど、オーナーは“部品代”より“納期と安心”にお金を払う傾向があるため、整備士の説明力がそのまま購入後の満足度を左右します。
高騰の背景(海外需要)と相場感(1500万円超の目安)を押さえつつ、整備履歴と購入前点検で“実質的な値段”を見抜くのが、ポルシェ964カレラ2で後悔しない最短ルートです。
参考)相場高騰がまったく止まらない空冷911(特にタイプ964)、…
当時の新車価格(カレラ2 MT 1035万円など)と比較することで、いま支払う値段が「車両価格」ではなく「コンディションと希少性への対価」だと説明しやすくなります。
参考)中古の価格差1000万円? スポーツカーはやはりMTじゃない…
相場や新車価格の根拠(当時価格・グレード表の参考)。
グーネット:911 964のグレード別新車価格(カレラ2/タルガ/カブリオレ等の価格表)
相場高騰と距離別の目安(1500万円超・整備履歴の重要性の参考)。
ベストカーWeb:964カレラ2相場の目安(低走行MTは1500万円以上等)と高騰理由
海外需要による高値の背景(相場の構造理解の参考)。
カーセンサー:タイプ964高値と外国勢バイヤーの買い攻勢について

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