ジュラルミンの成分と覚え方を車乗りが押さえる全知識

ジュラルミンの成分と覚え方を車乗りが押さえる全知識

ジュラルミンの成分と覚え方、車乗りが知るべき基礎から応用

ジュラルミン製ホイールナットをつけたまま走ると、ハブボルトが折れずにナット側が崩壊して脱輪します。


🔩 この記事でわかること
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ジュラルミンの成分と語呂合わせ

Al・Cu・Mgの組み合わせを「アルマゲドン」などの語呂でスパッと覚える方法を紹介します。

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3種類の違いと成分比の見方

ジュラルミン・超ジュラルミン・超々ジュラルミンのJIS規格ごとの成分の違いをわかりやすく解説します。

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車乗りが知っておくべきジュラルミンの話

ホイールやナットへの使用上の注意、なぜ超々ジュラルミンホイールが特別なのかを実用目線で解説します。


ジュラルミンの成分を語呂合わせで一発で覚える方法





ジュラルミンの成分は「アルミニウム(Al)・銅(Cu)・マグネシウム(Mg)」の3つです。これだけ見ると単純ですが、試験や実務で「あれ、マンガン(Mn)も入ってたっけ?」と迷う人が少なくありません。


最も定着率が高いとされる語呂合わせが「ジュラルミンはアル(Al)マゲ(Mg)ドン(Cu)」です。映画『アルマゲドン』の世界的な知名度を借りるため、一度聞いたら頭に残りやすいのが特長です。


別バリエーションとして「ジュ(ジュラルミン)エリーマキ(Mg)マキどう(Cu)ある(Al)身ん(Mn)」という語呂も存在します。こちらはMn(マンガン)まで含む成分を押さえたい人向けです。これが役立ちます。


マンガンはJIS規格のA2017では0.40〜1.0%含まれており、厳密には「Al・Cu・Mg・Mn」の4元素が主成分です。ただし高校化学や一般的な説明では「Al・Cu・Mg」の3元素として扱われることがほとんどです。どちらの語呂を使うかは、目的に合わせて選びましょう。

















語呂合わせ 対応成分 こんな人に向いてる
アルマゲドン(アル・マゲ・ドン) Al・Mg・Cu 高校化学・一般教養向け
ジュエリーマキマキどうある身ん Al・Mg・Cu・Mn JIS規格まで踏み込みたい人向け


「アルマゲドン」が基本です。


語呂を覚えるコツは、成分の元素記号を「アルミ(Al)→ マゲ(Mg)→ ドン(Cu)」の順番で声に出して繰り返すことです。特に「ドン(Cu)」の部分は「銅=Cu」という対応がイメージしにくいので注意しましょう。銅の元素記号Cuはラテン語のCuprumに由来するため、頭文字の「C」ではなく「Cu」となります。この一点さえ確認しておけば問題ありません。


【テスト前の最終確認】合金の種類すべて言える?今のうちに確認しておこう!(chemistrystory.com)
合金全種類の語呂合わせを整理した記事。ジュラルミン以外の合金(ステンレス・はんだ・黄銅など)もまとめて確認したい人に役立ちます。


ジュラルミン3種類の成分比を一覧でマスターする覚え方

ジュラルミンには「ジュラルミン」「超ジュラルミン」「超々ジュラルミン」の3種類があり、JIS規格でそれぞれ別の番号が割り当てられています。意外ですね。


























種類 JIS番号 主な成分(アルミが残部) 硬度(HB)
ジュラルミン A2017 Cu 3.5〜4.5%、Mg 0.4〜0.8%、Mn 0.4〜1.0% 105
超ジュラルミン A2024 Cu 3.8〜4.9%、Mg 1.2〜1.8%、Mn 0.3〜0.9% 120
超々ジュラルミン A7075 Zn 5.1〜6.1%、Mg 2.1〜2.9%、Cu 1.2〜2.0% 160


ジュラルミン(A2017)と超ジュラルミン(A2024)の違いは、銅とマグネシウムの添加量の差だけです。主成分の系統は同じ「Al-Cu-Mg系」です。


超々ジュラルミン(A7075)は別物と考えてください。「Al-Zn-Mg-Cu系」という全く別の合金系統であり、亜鉛(Zn)が5〜6%と大量に入っているのが最大の特徴です。これが条件です。


硬度の比較で言えば、純アルミ(A1050)のHB20に対して、一般的なアルミ合金(A5052)はHB65。ジュラルミン(A2017)はHB105、超々ジュラルミン(A7075)はHB160となっています。ちなみに普通鋼(SS400)のHB130を超えているのが超々ジュラルミンだけという点も覚えておくと比強度の理解に役立ちます。


覚え方のポイントは「2017・2024は銅系(Al-Cu)、7075は亜鉛系(Al-Zn)」という区分けを押さえることです。7000番台=亜鉛が主役、という対応関係を頭に入れれば混乱しません。


ジュラルミンの種類や特徴、用途を紹介!(ito-seimitsu.com)
JIS規格ごとの化学成分の数値が一覧で確認できます。成分比を正確に把握したい方はこちらが参考になります。


ジュラルミンの名前の由来と発見の歴史(覚え方のヒントになる)

ジュラルミンという名前の由来には2つの説があります。これは使えそうです。


一つ目は「地名説」で、ドイツ中西部の都市デューレン(Düren)とアルミニウムを組み合わせた「デューレン+アルミニウム」が語源というものです。発明者アルフレート・ヴィルムがこの都市に住んでいたことによります。二つ目は「ラテン語説」で、ラテン語で「硬い」を意味する「durus(ドゥルス)」とアルミニウムの組み合わせとする説です。現在のドイツではこちらの解釈の方が一般的とされています。


どちらの説が正しいかは未確定ですが、「硬さを強調した名前」という理解は成分の記憶にもつながります。「Dur(硬い)+Alumin(アルミ)=硬いアルミ」と覚えれば、ジュラルミンが「強度を高めたアルミ合金」だという本質を同時に押さえられます。


発見のきっかけもユニークです。1906年9月のある土曜日、ヴィルムは実験の途中で週末を挟んだまま放置してしまいました。月曜日に測定を再開すると、焼き入れ後のアルミ合金が著しく硬くなっていたのです。これが「時効硬化」と呼ばれる現象の発見です。偶然が生んだ発見、と覚えると記憶に残りやすいでしょう。


その後、1910年代には飛行船ツェッペリンの骨組みに採用され、日本では1916年に住友伸銅所で研究が開始。1921年には工業生産が始まり、翌年には日本初の飛行機の骨組みにも採用されています。また、1936年に日本で開発された超々ジュラルミンは、零戦の主翼にも採用されるほどの強度を誇りました。


ジュラルミン - Wikipedia
発見の経緯・JIS規格の詳細・歴史的な用途まで網羅されています。成分の背景知識を深めたい方にお勧めです。


車のホイールに使われるジュラルミンの種類と成分を覚えるコツ

自動車のアフターパーツにおいて「ジュラルミン製」と表記されている場合、多くのケースは超々ジュラルミン(A7075)を指しています。つまり「ジュラルミン製」の一言で語れる素材は、実は全部同じではないわけです。


ホイールの世界では超々ジュラルミンが特に注目されています。BBSが2011年に世界で初めて超超ジュラルミン鍛造ホイール「RI-D」を製品化し、レイズも2017年に「ヴォルクレーシング TE037 DURA」を発表しています。これらは鋳造ホイールと比べて引っ張り強度・耐力がおよそ2倍以上とされており、19インチ1本あたりの重量が約7.2〜8.1kgと通常の鍛造ホイールより軽量です。


ちなみに超超ジュラルミン(A7075)は、あのゼロ戦の主翼に使われた素材です。第二次世界大戦中の軍用機にも採用されていたほどの強度をホイールに宿す、という事実は覚え方としても使えます。


ただし、注意点も明確に存在します。超々ジュラルミンは耐食性が低く、銅が含まれることで粒界腐食が進行しやすい性質があります。海沿いや融雪剤(塩化カルシウム)が散布される道路を走る機会が多い車には向きません。防食処理(アルマイト処理など)の施されていない状態での放置は、見た目では気づきにくい腐食が進行するリスクがあります。


成分の記憶と用途の理解をセットにすると忘れにくくなります。「A7075はZn(亜鉛)が主役の7000系=最強だが錆には弱い」という流れで覚えるのが実用的です。


【知ってまっか】「ジュラルミン製」ホイールは何がスゴイのか(automesseweb.jp)
超超ジュラルミン製ホイールの特性・歴史・ゼロ戦との関係まで詳しく解説されています。ホイール選びの参考になります。


車乗りだけが気づく「ジュラルミン製ナット」の落とし穴と正しい知識

市販のカーパーツ店でよく見かけるカラーアルマイトのジュラルミン製ホイールナット。見た目の美しさと軽量性から選ぶ人も多いですが、構造的に鉄製より大きなリスクを持っていることは広く知られていません。


問題は「熱膨張率の違い」にあります。アルミ・ジュラルミンの熱膨張率は、鉄製ハブボルトの約2倍です。ブレーキ熱などで高温になったナットは膨張し、冷却時に収縮するたびに締め付けが変化します。これが繰り返されることで走行中の緩みが起こりやすくなるのです。特にサーキット走行のような制動・加熱が繰り返される環境では、このリスクが格段に高まります。


また、万が一締めすぎたときの挙動も鉄製とは異なります。鉄製ならボルト側が折れることで限界を知らせますが、ジュラルミン製ナットはネジ山(ピッチ部分)が先に崩壊して空転します。これは走行中の脱輪に直結する事象です。痛いですね。


だからといってジュラルミン製ナットが完全にNGというわけではありません。街乗り程度で定期的に増し締め確認をする前提であれば、一定の実用性はあります。重要なのは「軽量・カラフル=ドレスアップ専用」という認識を持ち、走行条件に合わせて使い分けることです。


日常使いの車では純正スチールナット、スポーツ走行にはクロモリ鋼ナット、という選択が基本です。ジュラルミン(A2017・A2024)の「強度は高いが耐食性と耐熱挙動に課題がある」という成分的特性をそのまま体現しているのが、このナットの話です。成分を知ることが実際の安全につながるということですね。


ホイールナット選びは要注意!サーキット走行で軽量タイプが危険なワケ(automesseweb.jp)
ジュラルミン製ナットが熱で緩みやすい理由と、走行用途別のナット選び方針が解説されています。安全に関わる知識として確認しておく価値があります。




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