

グラインダーをサンダーとして使うと、車のボディに修復不可能な傷が入り、板金修理で数万円かかることがあります。
グラインダーとサンダーは「研磨する工具」という点では同じですが、先端に取り付けるものが根本的に異なります。グラインダーは砥石(といし)を高速回転させて素材を研削・切断します。一方のサンダーはサンドペーパー(紙ヤスリ)をパッドに取り付けて使う工具です。
砥石を使うグラインダーは、毎分9,000〜12,000回転という猛烈なスピードで回転します。時速に換算すると200kmを超えることもあり、これは金属やコンクリートを削り取るためのパワーです。
研磨力に大きな差があります。
サンダーの場合、使うサンドペーパーの番手(粗さの数値)を変えることで、粗削りから仕上げまで対応できます。たとえば番手#46なら荒削り・塗装剥離向け、#120〜#240なら下地調整向け、#320以上なら仕上げ研磨向けと使い分けられます。
一方グラインダーは、砥石の種類を変えることで金属の切断・バリ取り・石材の研削など、より重作業に対応できます。つまり、「削る深さと硬さ」で使い分けるのが基本です。
| 比較項目 | グラインダー | サンダー |
|---|---|---|
| 先端工具 | 砥石(研削・切断用) | サンドペーパー |
| 回転数 | 9,000〜12,000回転/分 | 6,000〜10,000回転/分(機種による) |
| 研磨力 | 非常に強い | 中〜弱(番手による調整可) |
| 切断作業 | できる(切断砥石使用) | できない |
| 集塵機能 | 基本なし | 搭載モデルあり |
| 仕上げ研磨 | 不向き | 得意 |
グラインダーは「削りすぎる」ことが最大のリスクです。サンダーは番手を選べる分、繊細な作業に向いています。それが条件です。
参考:砥石の回転数・種類・安全な扱い方について(ニューレジストン公式)
https://www.newregiston.co.jp/baseint/kiso/kiso05/
グラインダーにも、サンダーにも、それぞれ複数の種類があります。車のDIYを想定した場合、選択肢を絞って理解しておくと迷いがなくなります。
グラインダーの主な種類:
サンダーの主な種類:
車のDIYでは「ランダムサンダー」が最初の1台として最適です。
ランダムサンダーは、1分間に約10,000回の偏心運動を行い、研削面に均一なパターンで研磨をかけます。直線的な傷が残りにくいため、ボディ表面に使っても塗装後の仕上がりが格段に良くなります。オービタルサンダーでは直線的な研磨傷が残りやすく、塗装後に浮かび上がることがあるので注意が必要です。
これは使えそうです。
参考:各サンダーの種類と特長・選び方の詳細(現場市場マガジン)
https://www.genbaichiba.com/shop/pages/mag-20210909.aspx
車のDIYでは、作業の内容によってグラインダーとサンダーを適切に選ぶことが重要です。間違った工具を使うと、取り返しのつかない傷が入ったり、余計な補修費用が発生します。
グラインダーが向く車の作業:
下回りや足回りの鉄部品に発生した深いサビの除去が代表的な使いどころです。ディスクグラインダーにカップブラシやワイヤーカップを装着すると、表面の赤サビを一気に除去できます。下回りのパイプや溶接部のバリ取り、マフラー周辺の金属加工にも向いています。
ただし、ボディパネル(ドアや屋根などの外装面)にはグラインダーを使ってはいけません。砥石の研磨力が高すぎるため、0.1mm単位で管理が必要な薄い鉄板を一瞬で削りすぎてしまいます。実際に、ディスクグラインダーで車の塗装剥がしを試みた結果、ペーパーの跡(研削傷)が深く残り、板金修理が必要になるケースが知恵袋等でも多数報告されています。
グラインダーは下回り専用と覚えておけばOKです。
サンダーが向く車の作業:
ボディパネルの塗装剥がし・下地処理・表面のサビ取りに最適です。塗装剥離にはベルトサンダーや番手#46のディスクペーパーを装着したランダムサンダー、仕上げ研磨には#120〜#320が適しています。
車の板金・塗装の現場では、一般的にエアー式のランダムサンダー(ダブルアクションサンダーとも呼ぶ)が標準的に使われています。これはボディ表面への攻撃性が低く、平滑な下地を作りやすいためです。
| 作業内容 | 推奨工具 | 使用する先端工具・番手 |
|---|---|---|
| 下回り・鉄部の深いサビ除去 | ディスクグラインダー | カップブラシ・ワイヤーカップ |
| ボディパネルの塗装剥がし | ランダムサンダー | サンドペーパー #46〜#80 |
| ボディの下地研磨 | ランダムサンダー | サンドペーパー #120〜#240 |
| 仕上げ研磨・塗装前処理 | ランダムサンダー | サンドペーパー #320以上 |
| 金属部品のバリ取り・切断 | ディスクグラインダー | 切断砥石・オフセット砥石 |
参考:板金修理時の塗装剥離と番手選び(ニューレジストン砥石コンシェルジュ)
https://www.newregiston.co.jp/concierge/works/86/
実はグラインダーとサンダーは、現場では「どちらもサンダーと呼ばれる」ことがあります。これが多くの人を混乱させている原因です。
「サンダー(sander)」とは、もともと英語で「研磨機」を意味します。木材の表面をなめらかにする「サンディング(sanding)」という作業から来ている言葉です。つまり本来は「サンドペーパーで磨く機械」が正しい意味です。
しかし日本の建築・製造現場では、ディスクグラインダーのことを「サンダー」と呼ぶ習慣が根づいています。「ヘビーサンダー」「ディスクサンダー」などの呼称もあり、メーカーによっても名称が微妙に異なります。
意外ですね。
こうした呼び名の混乱が、特に初心者のDIYerにとって「どちらを買えばいいかわからない」という状況を生んでいます。ホームセンターで店員さんに「サンダーがほしい」と言っても、ディスクグラインダーを指してしまうケースがあるので注意が必要です。
車のDIYの文脈でこの問題を整理すると、次の点だけ覚えておけば十分です。
ホームセンターで購入する際は「ランダムオービットサンダー」と正式名称を伝えると確実です。マキタ・リョービ・ボッシュなど国内外の主要メーカーが手ごろな価格帯で販売しており、5,000円〜15,000円程度で購入できます。
つまり、名前に惑わされず「先端に何をつけるか」で判断するのが原則です。
参考:現場でディスクグラインダーをサンダーと呼ぶ理由の解説(note)
https://note.com/fujikenchiku0506/n/n246b3467c198
多くの人が見落としているポイントがあります。仕事でグラインダーを使う場合、砥石の交換作業には法律上の「特別教育」を修了している必要があります。
労働安全衛生法第59条・同規則第36条第1号に基づき、事業者はグラインダー(ディスクグラインダー・卓上グラインダー等)の砥石交換・試運転に従事させる労働者に「自由研削といし取替試運転作業者特別教育」を受講させる義務があります。無資格のまま業務として作業を行わせた事業者には、6か月以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられることがあります。
厳しいところですね。
ただし、個人のDIYや自家用車の整備目的で自分自身が使う場合は、この特別教育の義務は適用されません。一人親方や個人使用は法的義務の対象外です。
注意すべきなのは、砥石には「最高使用回転数」が刻印されていることです。グラインダー本体の回転数がその上限を超えると、砥石が遠心力で破裂する危険があります。砥石の破裂は時速200km超のかけらが飛び散る事故につながるため、必ず砥石に刻印された最高回転数とグラインダーの回転数を確認してから使用してください。
安全に使えばDIYでも非常に頼れる工具です。購入前に、ホームセンターや工具専門店のスタッフに「砥石とグラインダーの適合確認」をするのが最も確実な行動の1つです。
参考:グラインダー作業の資格要件と労災事例(橋本組リクルートコラム)
https://www.hashimoto-gumi.co.jp/recruit/column/1474/
参考:厚生労働省によるディスクグラインダーの安全使用ガイド(PDF)
https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/04_roofing4_grinder_jp.pdf

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