
日産セレナは、ミニバンの中でも特に積載性能に優れた車種として多くのファミリーに支持されています。その積載量の特徴は、シートアレンジによって大きく変化する点にあります。セレナの魅力を最大限に引き出すためには、この特性を理解し活用することが重要です。
セレナの荷室容量は、3列シートをすべて使用している状態では約280リットルとなります。これは日常の買い物や小旅行程度であれば十分な容量です。しかし、3列目シートを格納すると容量は約815リットルまで拡大し、さらに2列目シートを前方にスライドさせることで最大1,500リットル近くまで広がります。
積載重量については、セレナは乗用車であるため貨物車のような明確な最大積載量の表示はありませんが、8人乗りモデルの場合、一般的な目安として「大人1人あたり55kg+手荷物10kg」で計算し、8人分で合計約520kgが推奨されています。ただし、実際の使用では600kg以上の積載を行うケースもあるようですが、車両への負担が増すため注意が必要です。
セレナの室内寸法は、室内長約3,240mm、室内幅約1,545mm、室内高約1,400mmと、ミニバンの中でも広めの設計となっています。この広さを活かしたシートアレンジの工夫により、様々な積載ニーズに対応できるのがセレナの強みです。
セレナの荷室容量は、シートの配置によって驚くほど変化します。全てのシートを使用した状態での基本的な荷室容量は約280リットルです。これは小型のスーツケース2〜3個程度が収まるスペースで、日常的な買い物や短期の旅行には十分な容量と言えるでしょう。
3列目シートを格納すると、荷室容量は約815リットルまで拡大します。この状態では、大型のスーツケースや複数の旅行バッグ、アウトドア用品なども余裕を持って収納できるようになります。家族での旅行や週末のレジャーにも対応できる容量です。
さらに、2列目シートを前方にスライドしたり倒したりすることで、最大で約1,500リットルという広大な荷室スペースを確保することができます。この状態では、自転車や家具、長尺の建材なども積載可能となり、引っ越しやDIYプロジェクトにも対応できる汎用性を持っています。
セレナの荷室の特徴として、床面が比較的低く設計されているため、重い荷物の積み下ろしが容易である点も挙げられます。また、荷室形状がフラットであるため、荷物が安定しやすく、効率的な積載が可能です。
実際の使用例として、キャンプ用品一式(テント、寝袋、調理器具など)と4人分の荷物を積んでも余裕があるという声や、子どもの部活動の道具(野球用具一式など)を積んでも十分なスペースが残るといった評価が多く見られます。
セレナの耐荷重を理解することは、安全な運転と車両の長寿命化のために非常に重要です。セレナは乗用車として分類されるため、貨物車のような明確な最大積載量の表示はありませんが、設計上の耐荷重の目安があります。
助手席側とスライドドア側の耐荷重はそれぞれ110kgに設定されています。これは、各座席に乗る人や荷物の重量がこの範囲内であることを想定しています。この制限を超えると、サスペンションやブレーキシステムに過度の負担がかかる可能性があります。
8人乗りセレナの場合、一般的な計算方法として「大人1人あたり55kg+手荷物10kg」で計算し、8人分で合計約520kgが推奨積載重量となります。これは、日産が想定する標準的な使用条件での目安です。
実際のユーザー体験では、600kg以上の積載を行ったケースも報告されていますが、このような重量での運行は車両への負担が増大します。特に、サスペンションの劣化、ブレーキの効きの低下、タイヤの摩耗の増加などのリスクが高まります。
安全に運転するためのポイントとして、荷物の配置にも注意が必要です。重い荷物は車両の中央付近に配置し、後部に偏らせないようにすることで、車体のバランスを保ち走行安定性を向上させることができます。特に高速道路走行時や急なカーブでは、不均衡な荷重分布が危険な状況を招く可能性があります。
また、長距離移動や山岳地帯での走行時には、通常よりも少ない積載量にすることで、エンジンやブレーキへの負担を軽減し、安全性を高めることができます。特に夏場の高温時や冬場の凍結路面では、この点に特に注意が必要です。
セレナとヴォクシーは日本を代表する人気ミニバンであり、どちらも優れた積載能力を持っていますが、細部には違いがあります。両車の荷室の広さと積載量を詳細に比較してみましょう。
まず、荷室の寸法を比較すると、3列目シート使用時の荷室奥行きはセレナが約450mm、ヴォクシーが約315mmとセレナの方が135mmほど長くなっています。荷室高についてもセレナが1,483mm、ヴォクシーが1,250mmとセレナの方が233mm高くなっています。一方、荷室幅はヴォクシーが1,310mm、セレナが1,255mmとヴォクシーの方が55mm広くなっています。
荷室容量で比較すると、3列目シート使用時はセレナが約280リットル、ヴォクシーが約390リットルとなっており、この状態ではヴォクシーの方が若干容量が大きいです。しかし、3列目シートを格納した状態ではセレナが約815リットル、ヴォクシーが約850リットルとほぼ互角の容量となります。
シートアレンジの柔軟性については、両車とも多彩なアレンジが可能ですが、セレナは特に2列目シートの調整範囲が広く、より多様な積載パターンに対応できる点が特徴です。また、セレナの「デュアルバックドア」は狭いスペースでも荷物の出し入れがしやすい利点があります。
実用面での違いとして、セレナは床面が低く設計されているため重い荷物の積み下ろしが容易である一方、ヴォクシーはリアゲートの開口部が大きく、大型の荷物を出し入れしやすい特徴があります。
積載重量については、両車とも乗用車として同様の基準が適用されますが、ヴォクシーは車両重量がセレナよりもやや軽いため、理論上はわずかに多くの荷物を積載できる可能性があります。
使用シーンによる適性を考えると、日常的な買い物や家族での旅行ではどちらも十分な性能を発揮しますが、大型の荷物を頻繁に運ぶ場合はヴォクシーの広い開口部が便利で、多様な積載パターンを求める場合はセレナの柔軟なシートアレンジが優位と言えるでしょう。
セレナの積載量を最大限に活用するためには、状況に応じた適切なシートアレンジが鍵となります。ここでは、様々なシーンに合わせた効果的なシートアレンジのコツをご紹介します。
日常使いの基本アレンジ
日常の買い物や通勤・通学では、3列目シートを通常位置で使用しつつ、必要に応じて3列目シートを最前端までスライドさせることで、荷室容量を約280リットルから約283リットルまで微増させることができます。スーパーでの大量買い物や小型の家電など、日常的な荷物であればこの状態で十分対応できます。
週末レジャー向けアレンジ
週末のレジャーや小旅行では、3列目シートを格納することで約815リットルの荷室容量を確保できます。このアレンジでは、キャンプ用品一式や4人分の旅行バッグなども余裕を持って積載可能です。特に、荷室床面がフラットになるため、荷物の出し入れがスムーズで、積載効率も高まります。
大型荷物運搬時のアレンジ
引っ越しや大型家具の運搬時には、3列目シートを格納し、さらに2列目シートを前方にスライドさせることで、最大約1,500リットルの広大な荷室スペースを確保できます。このアレンジでは、自転車や家具、長尺の建材なども積載可能となります。特に、室内長が最大約230cmまで拡張できるため、多くの長尺物にも対応できます。
積載効率を高めるコツ
特殊な積載ニーズへの対応
子育て世代には、チャイルドシートを設置しながらも十分な荷室を確保するアレンジが有効です。2列目の片側にチャイルドシートを設置し、もう片側と3列目を格納することで、子どもの安全を確保しながら大容量の荷室を確保できます。
アウトドア愛好家には、2列目と3列目を完全にフラットにするアレンジがおすすめです。これにより、車中泊も可能な広いスペースが生まれ、キャンプ場での就寝や悪天候時の避難場所としても活用できます。
2025年に登場した日産セレナの新型モデルでは、積載機能にも様々な進化が見られます。従来のセレナの良さを継承しながら、新たな機能や改良点が加わり、より使い勝手の良い車両となっています。ここでは、2025年モデルで特に注目すべき積載関連の進化点と、その効果的な活用法をご紹介します。
デュアルバックドアの標準装備
2025年モデルでは、全グレードに「デュアルバックドア」が標準装備されています。これは大きなバックドアに小窓のような小さなドアが付いた機能で、駐車場など後ろに車や壁があっても、スペースを気にせず後ろの荷物の出し入れができる便利な機能です。
活用法としては、狭い駐車場での買い物時に小さな荷物だけを取り出す場合や、雨天時に大きなドアを開けずに荷物を出し入れする際に特に重宝します。また、子どもの送迎時にバッグだけを素早く取り出したい場合にも便利です。
室内寸法の最適化
2025年モデルでは、室内寸法が最適化され、特にC28型では室内幅がC27型よりもわずかに広くなっています。基本的な室内寸法は、室内長3,145mm、室内幅1,545mm、室内高1,400mmとなっており、この広さを活かした積載が可能です。
活用法としては、横幅を必要とする荷物(例:ゴルフバッグを横並びに複数配置、ベビーカーと買い物袋の同時積載など)の収納がより容易になっています。また、室内高を活かして背の高い植木や家電なども安定して運べます。
スイッチ式シフトによるスペース効率化
2025年モデルではシフトレバーがなくなり、スイッチ式シフトが導入されています。これにより、フロント周りのスペースがよりスマートになり、小物収納スペースが増加しています。
活用法としては、運転席周りに置きたい小物(スマートフォン、財布、サングラス、ドリンクなど)をより効率的に配置できるようになりました。特に長距離ドライブ時に必要なアイテムを手の届く範囲に置けるため、利便性が向上しています。
e-POWER搭載モデルの積載メリット
2025年モデルでは「第二世代e-POWER」が採用され、先代より排気量がアップし(1.198Lから1.433L)、より力強い走行が可能になっています。モーター最高出力も100kWから120kWへと向上しています。
この進化により、重い荷物を積載した状態でも力強い加速と安定した走行が可能になっています。特に坂道や高速道路の合流時など、積載時にパワー不足を感じやすいシーンでもストレスなく運転できるようになりました。
活用法としては、家族全員と荷物を満載した長距離旅行や、重量物の運搬時にも余裕のある走行が可能です。また、燃費性能も維持されているため(カタログ燃費20.6km/L、実燃費約17.26km/L)、経済的なメリットも享受できます。
最新安全技術による積載時の安心感
2025年モデルには先進の運転支援機能「プロパイロット」が全グレードに標準装備され、上級グレード「e-POWER LUXION」には「プロパイロット2.0」も搭載されています。
これらの技術は、荷物を多く積載した状態での運転をより安全にサポートします。重量物積載時は車両の挙動が通常と異なるため、運転支援機能の存在が大きな安心感をもたらします。特に高速道路での長距離移動時や、視界が制限される大量積載時に、これらの安全技術の恩恵を実感できるでしょう。
2025年モデルのセレナは、これらの進化点により、従来の優れた積載性能をさらに使いやすく、安全に活用できるようになっています。日常使いから特別な用途まで、幅広いシーンで活躍する一台と言えるでしょう。