
「買ってはいけないSUV」という言葉を聞くと、特定の車種やメーカーに問題があるように思えるかもしれません。しかし、実際には「自分のライフスタイルや使用目的に合っていないSUV」こそが、買ってはいけないSUVなのです。
SUVは近年、そのスタイリッシュなデザインや高い視点からの運転のしやすさから人気が高まっています。しかし、その人気に流されて自分に合わないSUVを選んでしまうと、後々「買わなければよかった」と後悔することになりかねません。
SUV選びで最も重要なのは、自分がどのような使い方をするのかを明確にすることです。市街地中心の利用なのか、アウトドアや雪道などの悪路走行が多いのか、家族での使用が中心なのか、それとも一人や二人での使用が多いのかなど、自分のライフスタイルを考慮した上で選ぶことが大切です。
また、SUVは一般的にセダンやコンパクトカーと比べて燃費が悪く、維持費も高くなる傾向があります。購入前には、燃費や税金、保険料などのランニングコストもしっかりと確認しておきましょう。
「買ってはいけないSUV」の特徴として、以下のようなポイントが挙げられます。
実際の失敗例としては、「デザインだけで大型SUVを選んだら、駐車や狭い道での運転に苦労した」「燃費の悪さを甘く見て、維持費の高さに驚いた」「家族での使用を考えていたのに、後部座席が狭く不便だった」などが挙げられます。
SUVを選ぶ際には、各メーカーの特徴や評判も参考になります。ここでは、主要メーカーのSUVについて、その特徴と評判を比較してみましょう。
トヨタのSUV
トヨタのSUVは信頼性が高く、幅広いラインナップが特徴です。ハリアーやRAV4などの人気モデルがありますが、「ハリアーよりもRAV4の方が実用性が高く、コストパフォーマンスも良い」という意見もあります。また、C-HRは後部座席が狭く、ファミリーカーとしては不向きという評価もあります。
ホンダのSUV
ヴェゼル(HR-V)やCR-Vなどが人気で、特にヴェゼルはコンパクトながら室内空間が広く、使い勝手が良いと評価されています。ただし、一部のモデルは「なんちゃってSUV」と呼ばれ、本格的なオフロード性能は期待できません。
マツダのSUV
マツダのSUVは「魂動デザイン」と呼ばれる美しいデザインと走行性能の高さが魅力です。しかし、CX-3やCX-30などは後部座席や荷室が狭く、実用性を重視する人には向かないという評価もあります。また、燃費面では他社のハイブリッドモデルに劣る点も指摘されています。
日産のSUV
エクストレイルやジュークなどが人気ですが、特にジュークは独特なデザインが好みを分けます。キックスはEV技術を採用していますが、4WDが設定されておらず、悪路走行には不向きという評価もあります。
輸入車のSUV
BMWやメルセデス・ベンツ、アウディなどの高級輸入SUVは、走行性能や質感の高さが魅力ですが、価格が高く、維持費も国産車と比べて高額になりがちです。また、エントリーモデルでは標準装備が少なく、オプションを追加すると予算をオーバーしてしまうことも。
各メーカーのSUVには一長一短があり、「買ってはいけない」と一概に言えるものはありません。重要なのは、自分の優先順位(デザイン、実用性、燃費、価格など)を明確にし、それに合ったモデルを選ぶことです。
SUVを選ぶ際に混乱しやすいのが、「なんちゃってSUV」と「本格SUV」の違いです。この違いを理解することで、自分に合ったSUVを選びやすくなります。
なんちゃってSUVの特徴
「なんちゃってSUV」とは、見た目はSUVらしいデザインをしているものの、オフロード性能が低い車種を指します。以下のような特徴があります。
代表的な「なんちゃってSUV」としては、トヨタ「ハリアー」、ホンダ「ヴェゼル」、マツダ「CX-3」、トヨタ「ヤリスクロス」、日産「キックス」などが挙げられます。
本格SUVの特徴
一方、「本格SUV」は、オフロード走行を想定して設計された車種で、以下のような特徴があります。
代表的な「本格SUV」としては、トヨタ「ランドクルーザー」、日産「パトロール」、スズキ「ジムニー」、ジープ「ラングラー」などが挙げられます。
自分に合ったSUVの選び方
自分のライフスタイルに合ったSUVを選ぶためには、以下のポイントを考慮しましょう。
自分の使用環境や優先順位を明確にすることで、「買ってはいけないSUV」を避け、自分に最適なSUVを選ぶことができるでしょう。
SUVを購入する際に見落としがちなのが、燃費や維持費の問題です。特に大型SUVや本格オフロード仕様のSUVは、燃費が悪く維持費も高くなる傾向があります。ここでは、SUVの燃費と維持費の実態について詳しく見ていきましょう。
SUVの燃費の実態
SUVの燃費は、そのサイズやエンジン、駆動方式によって大きく異なります。一般的な傾向としては以下のようになります。
特に、大排気量エンジンを搭載した大型SUVや、本格的な4WDシステムを備えたモデルは燃費が悪くなります。例えば、トヨタ「ランドクルーザー」や日産「パトロール」などは、市街地走行ではリッター5〜8km程度になることもあり、燃料費の負担が大きくなります。
また、カタログ燃費と実燃費には差があることも念頭に置いておく必要があります。特にSUVは空気抵抗が大きく、実際の走行では想定よりも燃費が悪化することが多いです。
SUVの維持費の実態
燃料費以外にも、SUVの維持にはさまざまなコストがかかります。
実際の維持費の例として、ミドルクラスのSUV(排気量2,000cc、車両重量1,800kg程度)の場合、年間の維持費は以下のようになります。
合計すると、年間約30〜35万円の維持費がかかる計算になります。これに対して、コンパクトカー(排気量1,000cc、車両重量1,000kg程度)の場合は、年間20〜25万円程度で済むことが多いです。
このように、SUVは購入時の価格だけでなく、維持費も考慮する必要があります。特に、燃費の悪い大型SUVや本格4WDモデルは、維持費の負担が大きくなることを理解した上で購入を検討しましょう。
SUV購入で後悔しないためには、カタログやインターネットの情報だけでなく、実際に試乗して自分に合うかどうかを確認することが非常に重要です。ここでは、試乗時にチェックすべきポイントを詳しく解説します。
試乗前の準備
試乗を効果的に行うためには、事前の準備が大切です。
試乗時のチェックポイント
試乗後の確認ポイント
試乗は、SUV購入の決断を左右する重要なステップです。カタログやネットの情報だけでは分からない、実際の使用感を確認することで、「買ってはいけないSUV」を避け、自分に最適なSUVを選ぶことができます。可能であれば、1日や週末など、長時間の試乗ができるプログラムを利用するのもおすすめです。
以上のポイントを押さえて試乗することで、SUV選びの失敗を防ぎ、長く愛用できる一台に出会えるでしょう。