
ビッグモーターは1976年に山口県で「兼重オートサービス」として創業し、1980年に現在の社名に改名した大手中古車販売・買取業者です。2016年に関西の株式会社ハナテンを買収してから全国展開が加速し、現在は全国248店舗を展開している中古車業界最大手の一つとなっています。
同社の最大の特徴は、中古車買取・販売・修理・メンテナンスを一つに統合したワンストップサービスです。これまでバラバラに分かれていた車関連サービスを統合することで、顧客の利便性を向上させています。
サービスの特徴。
帝国データバンクの調査によると、ビッグモーターの2022年度売上高は想定5,800億円で、中古車販売業界においてトップシェアを誇ります。「車を売るならビッグモーター」のキャッチコピーとともに、俳優の佐藤隆太さんを起用したテレビCMでも広く知られていました。
ビッグモーターで車を売る際の最大のメリットとして挙げられるのが、高額査定への期待です。同社は自社で買取・販売・整備を一貫して行うため、中間マージンを削減して買取価格に上乗せできる強みがあります。
実際の利用者からは以下のような声が寄せられています。
高評価の口コミ:
全国に248店舗を展開するビッグモーターでは、各店での販売台数確保のために積極的に買取を行っており、特に中古車市場で需要の高い車種に対しては比較的高値が提示される傾向があります。
査定価格の特徴。
一方で、ビッグモーターには深刻な問題も指摘されています。2023年に発覚した保険金不正請求問題では、ゴルフボールを靴下に入れて車体を叩く、ドライバーで傷つけるなどして修理費用を水増しして保険金を請求していたことが明らかになりました。
第三者委員会の調査報告書によると、同社では事故車両の修理費用に1台当たり14万円前後のノルマを課しており、このノルマは「@(アット)」という隠語で呼ばれ、組織内で広く浸透していました。検証した案件のうち、34カ所の工場で4割を超える不正が疑われる行為があったとされています。
利用者からの悪評:
これらの問題を受けて、2023年7月21日には同社のCMキャラクターを務めていた佐藤隆太さんが電撃辞任を発表。さらに、同社のCMを使った「MAD動画」がインターネット上に乱立し、「車を売るな!ビッグモーター!」という替え歌で同社を揶揄する内容が拡散される事態となりました。
トラブル事例の特徴。
ビッグモーターで車を売却する際は、以下の点に特に注意が必要です。
契約前の確認事項:
売却手続きでの注意点:
営業対応での注意点:
ビッグモーターの企業体質を考慮すると、利用者は自己防衛の意識を持って取引に臨む必要があります。不明な点があれば遠慮なく質問し、納得できない条件では契約を見送る勇気も重要です。
ビッグモーターの問題を踏まえ、他の選択肢との比較検討も重要です。主要な車買取業者との比較を見てみましょう。
ガリバーとの比較:
ネクステージとの比較:
カーセブンの特徴:
一括査定サービスの活用:
複数の業者から査定を受けることで、適正価格を把握できます。ディーラー査定と一括査定では数万円~30万円以上の価格差が付くことも珍しくないため、比較検討は必須です。
地域密着型買取店という選択肢:
大手にはない丁寧な対応や、地域特有の需要に応じた査定が期待できる場合があります。口コミや評判を事前に調査して信頼できる業者を選ぶことが重要です。
車を売却する際は、一社だけでなく複数の業者から査定を受け、価格だけでなくサービス内容や企業の信頼性も総合的に判断することが、失敗しない車売却の鍵となります。特にビッグモーターの場合は、不祥事の影響を考慮し、より慎重な検討が必要でしょう。