転がり抵抗ロードバイクで知る速さ走り選び方タイヤ

転がり抵抗ロードバイクで知る速さ走り選び方タイヤ

転がり抵抗ロードバイクで知る速さ走り選び方タイヤ

この記事でわかること
転がり抵抗の基本

タイヤの変形や摩擦で生じるエネルギーロスを理解し、速度向上につなげる知識

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タイヤ選びのポイント

幅、タイプ、コンパウンドなど性能を左右する要素を総合的に比較

🔧
空気圧の最適化

路面や速度域に応じた空気圧設定で転がり抵抗を最小化する方法

転がり抵抗ロードバイクの基本概念と重要性


ソウルメイト

 

転がり抵抗とは、タイヤが地面に接地し変形しながら転がる際に生じる抵抗のことです。路面との摩擦やタイヤ自体の変形によって失われるエネルギーを指し、ロードバイクの走行性能に大きく影響します。空気抵抗の次に大きな走行抵抗であり、トッププロの選手レベルでは数ワットの差が勝敗を分けるため非常にシビアに追求されています。https://cycleringokan.com/best-bike-tire-rolling-resistance/
転がり抵抗が低いタイヤを選ぶことで、同じ力でより速く長く進むことができ、ライダーの体力消耗を抑えることができます。特にヒルクライムでは登坂時も効率的にパワーを路面に伝え、登坂能力が向上します。実際の測定では、時速29km/hで空気圧60psi(4.1bar)と120psi(8.3bar)で前後合わせると7~10W違うことが確認されています。https://misteron.hatenablog.jp/entry/2014/12/02/103103
一般市街地走行においても、タイヤの燃費に対する寄与率は7~10%にもなります。転がり抵抗を20%低減すれば、燃費は2%向上することが試算されており、自動車だけでなく自転車でも同様の原理が働きます。https://www.jatma.or.jp/safety_technology/tyre_performace_technology.html

転がり抵抗ロードバイクのタイヤ幅による影響

タイヤ幅と転がり抵抗の関係は、従来の常識が覆されつつあります。以前は細いタイヤほど接地面積が少なく転がり抵抗が軽いとされていましたが、これは滑らかな理想面上での話であり、実際の凹凸があるアスファルト路面では異なる結果が得られています。https://note.com/takuya_matzcycle/n/n6091cdb6c67f
体重別の検証データによると、体重65kgと73kgのライダーでは23C、25C、28Cのどのタイヤ幅でもほとんど転がり抵抗が変わりませんでした。一方、体重82kgのライダーの場合は23Cのタイヤ幅だと転がり抵抗が大きくなり、25Cか28Cが適していることが判明しています。https://cycist-ceb.com/0137_weight-and-tire-width/
太いタイヤは変形する割合が減り、接地面が縦方向に短く横方向に広くなるため、グリップと転がり抵抗のバランスが良くなります。特に重量級ライダーでない限り、細くても太くても転がり抵抗には大きな違いがなく、タイヤの横幅が増えても同じ空気圧下では接地面積はほとんど変わりません。https://bike-plus.com/blogs/blog/difference-of-width-of-tire

転がり抵抗ロードバイクの空気圧最適化テクニック

空気圧と転がり抵抗の関係は速度域によって異なることが実験で明らかになっています。速度が速いほど路面がタイヤにもたらす衝撃の頻度と激しさが増すため、高速域では空気圧を下げた方が転がり抵抗のブレイクポイントが早く訪れることが判明しました。https://roadbike.academy/tyre-pressure/
コンチネンタルGP5000を使用した実測では、7bar付近で転がり抵抗が最小になり、それよりも空気圧を増減させると抵抗が大きくなることが確認されています。最適空気圧よりも±1barズレると速度は0.5〜1km/h程度遅くなり、特に空気圧を下げた時の方が速度低下が大きいことが分かりました。https://note.com/silicate_melt/n/n4ce72ad5628b
空気圧が減少すると転がり抵抗は急激に増大する傾向にあり、適正空気圧を30kPa下回ると転がり抵抗係数が6%高くなり、100kPa不足では30%も高くなります。しかし意外にも、空気圧がかなり低い状態(3.5bar付近)でも転がり抵抗は大きく変わらないというデータもあり、携帯ポンプ使用時の一時的な低圧走行では巡行速度が落ちないことが示されています。https://www.michelin.co.jp/auto/advice/tyre-basics/rolling-resistance

転がり抵抗ロードバイクのタイヤタイプ別比較

ロードバイクのタイヤには主にクリンチャー、チューブレス、チューブラーの3種類があり、それぞれ転がり抵抗特性が異なります。チューブレスタイヤは乗り心地が良く、転がり抵抗が低くなりやすいメリットがあります。クリンチャーではタイヤとチューブの二重構造により、チューブの変形が路面抵抗となるため、チューブレスやチューブラーと比べると転がり抵抗が高い傾向があります。https://www.sbaa-bicycle.com/article/1299
チューブレスタイヤの優れた点は、多少空気圧が低くても転がり抵抗が重くならないことです。クリンチャーでも空気圧を落とせば乗り心地は良くなりますが、腰が抜けたようになり途端に転がらなくなります。全く同じ空気圧で比較した場合でも、決して大きな差ではありませんがチューブレスに分があり、クリンチャーでは越えられない壁が存在します。https://ff-cycle.blog.jp/archives/1082264524.html
クリンチャーでもチューブをラテックスやハイエンドTPUに変更することで、転がり抵抗や軽量性については部分的に肉薄、ないしは上回ることができます。一般的にチューブレスとラテックスまたはTPUインナーチューブの転がり抵抗の差はわずかであるため、好みに応じて選択可能です。https://ysroad.co.jp/asazo/2025/07/19/84823

転がり抵抗ロードバイクの路面状況と実走性能

転がり抵抗は実験室や試験場で計測される数値であり、実際に走る環境下では数値通りにはなりません。荒れたアスファルト道路を走行した場合、速度キープのために追加パワーが必要となり、転がり抵抗が増大したように感じることがあります。https://beachline.jp/archives/20695
段差のある路面では、等価転がり抵抗係数が平坦面の転がり抵抗係数よりも大きくなります。モデル計算によれば、バイクの振動振幅εZが1.2mmの場合、等価転がり抵抗係数は2.1倍になることが示されています。段差が多い路面では、タイヤ空気圧を下げてタイヤの柔軟性を上げ、段差伝達係数を下げることが転がり抵抗低減に有効です。https://cedarbook.hatenablog.jp/entry/2024/08/13/003414
硬いタイヤと荒い路面の組み合わせほどエネルギーロスが増える構図があり、これは「第三の抵抗」と呼ばれる振動ロスによるものです。路面の凹凸を"いなして"くれる柔軟なタイヤほど、この振動ロスを大幅に減らすことができます。現代のロードバイク研究では、空気抵抗と転がり抵抗に加えて、この第三の抵抗が最前線のテーマとして注目されています。https://ff-cycle.blog.jp/archives/1085005456.html

転がり抵抗ロードバイクのコンパウンドとグリップ性能

タイヤのコンパウンド(ゴム配合)は転がり抵抗とグリップ性能の両方に大きく影響します。硬めのコンパウンドは転がり抵抗が小さくグリップ力が劣る傾向にあり、柔らかいコンパウンドは転がり抵抗が大きくグリップ力が優れるという特性があります。https://ride2rock.jp/blog/120591/
タイヤのゴムは接地面で絶えず潰れたり元に戻ったりを繰り返していますが、潰れる時と戻る時で変形の仕方が少し異なり、その差分のエネルギーが熱として捨てられることで転がり抵抗が生まれます。これはヒステリシスロスと呼ばれ、シリカを配合したコンパウンドはカーボンのみと比べるとヒステリシスロスが小さいため、転がり抵抗を削減できます。https://ysroad.co.jp/yokohama/2024/11/28/180446
最新のハイエンドタイヤでは、センター部分に硬質のコンパウンドで転がり抵抗を軽減し、コーナーリング時に必要となるサイド部分には柔らかいコンパウンドでグリップ力を確保するデュアルコンパウンド技術が採用されています。例えばビットリアのHYPR-Sコンパウンドは、グリップ性能に優れるHYPRを基に転がり抵抗を12%低減することに成功しています。https://www.cyclesports.jp/news/others/136152/attachment/136766/

転がり抵抗ロードバイクのタイヤ劣化と性能維持

タイヤの劣化が転がり抵抗に与える影響について、興味深い検証結果があります。コンチネンタルウルトラスポーツ3で新品のタイヤと3年程度使用したタイヤを比較したテストでは、タイヤの劣化による差はほとんどありませんでした。新品と中古の平均値を比較すると0.65wしか差がなく、誤差の範囲内であるため新品でも中古でも転がり抵抗は同じだと考えられます。https://cycist-ceb.com/0146_rolling-resistance-of-deteriorated-tire/
この結果は、転がり抵抗の観点からはタイヤを頻繁に交換する必要がないことを示唆しています。ただし、劣化したタイヤを使用することで滑りやすくなったり、パンクしやすくなるリスクは別途考慮が必要です。転がり抵抗の性能は維持されても、グリップ性能や耐久性は経年劣化の影響を受けるため、総合的な判断が求められます。https://cycist-ceb.com/0146_rolling-resistance-of-deteriorated-tire/
タイヤ性能を長期的に維持するためには、適正な空気圧管理が重要です。空気圧が適正値より30kPa下回ると転がり抵抗が6%増加し、タイヤの寿命にも悪影響を与えることが分かっています。定期的な空気圧チェックと適切な保管方法により、タイヤの性能を最大限に引き出すことができます。https://www.michelin.co.jp/auto/advice/tyre-basics/rolling-resistance

転がり抵抗ロードバイクの最適なタイヤ選択戦略

転がり抵抗を最小化するためのタイヤ選びでは、走行環境と目的に応じた総合的な判断が必要です。レースやタイムトライアルでコンマ1秒を争う場合は、コンチネンタルGP5000S TRやミシュランパワータイムトライアルなどの転がり抵抗係数が最小クラスのタイヤが最適です。これらのタイヤは転がり抵抗係数0.0032前後を実現し、富士ヒルクライムのようなイベントでは数ワットの差が大きなアドバンテージとなります。https://note.com/honest_moraea466/n/n054ef6b8d842
ヒルクライムにおいては、タイヤ重量よりも転がり抵抗の方が重要であることが検証されています。転がり抵抗の小さいタイヤを選ぶことで、同じパワーでより速く登坂できるため、軽量性だけを追求するのではなく転がり抵抗係数を優先して選択すべきです。https://tattucycycling11.com/hill_climb_battle_25c_vs_28c_vol1
一般的なサイクリングや日常使用では、転がり抵抗だけでなく耐久性やパンク耐性も重要な要素となります。例えばシュワルベPRO ONEは転がり抵抗が低く耐パンクスコアも高いため、長距離ライドに適しています。また荒れた路面を走る機会が多い場合は、28C以上の太めのタイヤを選び、空気圧を適度に下げることで振動ロスを減らし、実走での転がり抵抗を最小化できます。https://charinori-goburin.com/highest-performance-for-road-bikesclincher-tire/
以下は転がり抵抗を考慮したタイヤ選びの比較表です。

 

用途 推奨タイヤ幅 推奨タイプ 重視する性能
レース・TT 25C-28C チューブレス 転がり抵抗最小
ヒルクライム 25C チューブレス/クリンチャー 転がり抵抗+軽量性
ロングライド 28C-30C チューブレス 転がり抵抗+快適性
荒れた路面 28C以上 チューブレス 振動ロス低減
日常使用 25C-28C クリンチャー/チューブレス 耐久性+コスト

タイヤ選びにおいては、単一の性能指標だけでなく、自分の体重、走行する路面状況、求める走行性能を総合的に考慮することが、最適な転がり抵抗特性を実現する鍵となります。

 

 


MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない