ヘリカルLSDとトルセンLSDの違いと選び方

ヘリカルLSDとトルセンLSDの違いと選び方

ヘリカルLSDとトルセンLSDの違いと選び方

トルセンLSDのBタイプを選んでも、実はヘリカルLSDと同じギヤを使っているので性能差はほぼゼロです。


ヘリカルLSD vs トルセンLSD:3つのポイント
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構造はほぼ同じ

トルセンBタイプはヘリカルギヤを使用しており、一般的に「ヘリカルLSD」と呼ばれるものと構造上の差はほとんどありません。

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用途で選ぶのが正解

ストリートにはトルク感応式(ヘリカル・トルセン)、サーキット本格走行には多板クラッチ式の機械式LSDが向いています。

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価格差はほぼなし

社外品の相場はSARD製トルセン約18万円(税別)、クワイフATBヘリカルLSDが約18〜24万円(税込)とほぼ同水準です。

ヘリカルLSDとトルセンLSDの基本的な仕組みの違い





LSD(リミテッドスリップデフ)は、タイヤが空転したときに反対側のタイヤにも駆動力を伝えるための装置です。 オープンデフは空転している側にばかり動力が流れてしまうため、片輪が浮いたり滑りやすい路面では前に進めなくなる弱点があります。


参考)LSDの種類とは? デフの違いによってクルマにどんな効果があ…


ヘリカルLSDは、斜めにネジが切られた「ヘリカルギヤ(はすば歯車)」のピニオンギヤとサイドギヤを噛み合わせた構造です。 そのギヤ同士の摩擦力を使って、左右の車輪に生じる回転差に制限を加えます。


トルセンLSDは「トルクセンシング」の略称で、駆動力の差を感知して左右の車輪の回転差に制限をかけます。 デフケースの中に複数のギヤを内蔵し、噛み合わせによる抵抗とデフケースとの摩擦で駆動力を分配するしくみです。


つまり、どちらもギヤの摩擦を利用した「トルク感応式」という点では同じです。



ヘリカルLSDとトルセンLSDの種類と選び方のポイント

トルセンLSDはジェイテクト社の商標登録であり、TypeA・TypeB・TypeCの3種類があります。 TypeBはヘリカルギヤを使うため、世間でいう「ヘリカルLSD」と構造的にほぼ同じです。 TypeAはウォームギヤを使い差動制限力が高く、主にFR駆動スポーツカーのリアデフに採用されます。


TypeCはプラネタリギヤを使用した4WD車のセンターデフ専用です。 前後トルクの不等配分を可能にし、操縦安定性向上を目的としています。jtekt.co+1
結論は「ヘリカルLSDとトルセンBタイプは実質同じ」です。


選び方のポイントをまとめると。

  • ストリート中心の走り:ヘリカルLSD(またはトルセンBタイプ)→静粛性が高く普段使いに最適
  • FRスポーツのリアデフを強化したい:トルセンAタイプ→ウォームギヤによる高い差動制限力
  • 4WD車のセンターデフ強化:トルセンCタイプ→前後トルク不等配分に対応

    参考)トルセンLSD|製品情報|株式会社ジェイテクト



ヘリカルLSDのメリットとデメリットをサーキット目線で比較

ヘリカルLSDとトルセンLSDの最大の強みは「メンテナンスフリーに近い」点です。 機械式LSDは内部クラッチプレートの摩耗が進むためオーバーホールが定期的に必要ですが、ヘリカル系はデフオイル交換だけで維持できます。garage-rs+1
これは使えそうです。


ただし、サーキットでの本格走行になると話が変わります。 あるGRヤリスのショップレビューでは「サーキット用途ではトルセンデフの効きは十分だが、片輪が完全に浮くような状況には対応できない」と報告されています。 機械式LSDは片輪が浮いた状態でも反対側のタイヤを同様に回転させられるため、タイヤの性能を使い切るという点で機械式に分があります。unlimitedracingjapan+1
ヘリカル系LSDの特性を整理すると。


ヘリカル系が弱点となるのは、アクセルオフ時(減速時)です。 トルセンLSDはアクセルを踏んだときのみ効果が出るトルク感応式のため、減速時には通常のオープンデフと同じ状態になります。


参考)トルセンLSDの効きは感じられるのか!?オープンデフと比べて…


参考:ヘリカルLSDとトルセンLSDの詳細な仕組みと各タイプの比較
OS技研公式:LSDの種類とは?デフの違いによってクルマにどんな効果が生まれるか徹底解説

ヘリカルLSDとトルセンLSDの価格・交換費用の目安

LSD本体の価格は種類とメーカーによって大きく変わります。 社外品のトルセン系で代表的なSARD「TORSEN Type Racing」は税別18万円前後です。 クワイフATBヘリカルLSDは税込18万〜24万円程度となっており、価格帯はほぼ同水準です。


本体代だけが費用ではありません。 実際の交換事例では、ロードスターNBへのトルセンLSD装着でデフオイル・ベアリング込みの部品代が約6万円超、技術料が約4万円かかっています。 トータルで10万円超になるのが一般的です。


参考)トルセンLSD装着 - のんびりNCロードスター日記


工賃の目安として「持ち込みLSD交換(国産FF)」が2万5千円前後というショップ情報もあります。 ただし、車種や駆動方式によって大きく差があります。 事前に複数のショップで見積もりを取るのが確実です。


参考)301 Moved Permanently


費用の内訳をまとめると。


  • 工賃:2.5〜9万円(車種・ショップにより異なる)
  • ベアリング・オイルシール等:1〜2万円程度
  • デフオイル:3,000〜8,000円程度

参考:トルセンLSDの実際の交換費用と内訳
NCロードスター日記:トルセンLSD装着の費用詳細レポート

ヘリカルLSDとトルセンLSD、実は「名前の違いだけ」という落とし穴

多くのドライバーはヘリカルLSDとトルセンLSDを「別の製品」と思い込んでいます。 しかし実態は、トルセンBタイプ=ヘリカルギヤ式LSDです。 「トルセン」はジェイテクト社の商標名であり、Bタイプに限ればヘリカルLSDとほぼ同じ構造です。


これがパーツ選びで混乱を生む原因になっています。 「ヘリカルLSDとトルセンLSDのどちらが効く?」という比較検討自体が、Bタイプに限っては意味をなしません。


注意が必要なのはトルセンAタイプです。 AタイプはウォームギヤでBタイプ(ヘリカル)より差動制限力が高く、同じ「トルセン」でも性格がまるで異なります。 パーツを選ぶ際は「トルセン」という名前だけでなく、TypeA・B・Cのどれかを必ず確認が必要です。


また、クワイフATBヘリカルLSDはトルセンBタイプよりもコンパクトでシンプルな構造が特徴で、欧州車向けラインナップが充実しています。 輸入車乗りがLSDを検討する際はクワイフを候補に入れると選択肢が広がります。news.livedoor+1
参考:トルセンLSDの公式製品ラインナップと技術詳細
ジェイテクト公式:トルセンLSD製品情報(TypeA・B・C)




MF-TRS-05RD1 ヘリカルLSD Bシリーズ AWDディファレンシャル ホンダCRVおよび自動車製造用途97-01に適合